Interview:
「世の中と目線を合わせてから語りだそうと思った」(小島さん)
「結婚の持つ本来のパワーを、ストレートに伝えるCMにしたかった」(平山編集長)
「ふだん結婚を意識していない人にも、結婚したいと思えるCMを」。『ゼクシィ』平山編集長からのオリエンは明快だったと、博報堂 クリエイティブディレクター 小島曜さんは言う。だが、結婚について意識していない人が触れる最近の結婚に関わるニュースにはハッピーなものは少ない。離婚率の上昇、結婚しない人の増加、さらに結婚式を挙げない「ナシ婚」のカップルも増えている⋯。そんな中、世の中とゼクシィの接点をもう1回作るには、「結婚しない人が増えているけれど」という地点から喋りだした方がいいと小島さんは考えたという。
平山さんも、「結婚というと、最近はしかめっ面で話すような小難しい話になりがちです」と話す。「しかし本来、誰かと一緒に生きていくと決めるというのは、とても貴重なこと。だからそう決めた時のエネルギーはすごく強い。その事実を、ストレートに伝えたいと考えていました」。
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」のコピーは、制作チームで話し合う中で、方向性が見出されていった。「世の中にはいろんな幸せがあって、結婚って色々言われているけれども、その中の1つには違いないよね、と話して。他にも幸せの形はあって、でも結婚もやっぱり幸せなんだと伝えたいと。結婚って最高だ、とは言っていませんが、ゼクシィが言うことで、そのメッセージは伝わるのではと考えました」(小島さん)。
プレゼンでは他の案もあったが、ゼクシィチームは最初からこのコピーを選んだ。「ゼクシィとしては強すぎないかと議論もありましたが、私たち自身が『いま、みんながそう思っているんじゃないか』と思えて納得できたのが、世に出せた理由だと思います。歴代のゼクシィガールのCMとは異なる世界観を持つものになりましたが、変えよう!という強い意思があったというより、この企画に出会って踏み込んだというのが正しい感覚です」(平山さん)。
CMがオンエアされるたびにSNSではコピーがツイートされ、強く共感されていることを実感するという。「『いいCMだね』や『可愛いね』の一言でなく、コピーを全文打ち込んでくれる方がかなりいます。そこまで集中してこのコピーを感じてくれたんだということに驚いています」。CMだけではなく中吊り広告からもコピーへの反応があり、広告の力、そしてコピーの力を改めて感じることとなった。
STAFF
- 企画制作
- リクルートマーケティングパートナーズ+博報堂+AOI Pro.
- CD
- 小島曜
- 企画
- 横須賀由衣
- C
- 坂本美慧
- AD
- 児嶋啓多
- 演出+オフライン編集
- 児玉裕一
- PR
- 山田博之、宮崎恭輔
- PM
- 渡部亮大、熊田寧々
- 撮影
- 越後祐太
- 照明
- 尾池将成
- 美術
- 柳町建夫
- オンライン編集
- 水野正毅
- MA
- 松崎清春
- ST
- 川島ゆき
- HM
- 冨沢ノボル
- CAS
- 増田恵子、小澤夏美
- 音楽制作会社
- 愛印
- 楽曲
- The Zombies「This Will Be Our Year」
- AE
- 宮本秀也、田中豪、中野雅人、関谷葉月
- NA+出演
- 佐久間由衣
- 出演
- 清原翔
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