企業活動で付加価値が高いのは「川上」と「川下」
——デザインビジネスをもう少し深く掘り下げていきたいと思います。濱口さんが考えるビジネスデザインの定義を教えてください。
濱口:デザインビジネスは、「無から有をつくる」とまでは言えませんが、何かしら新しい価値を生み出せなければいけないでしょう。
企業活動において「川上」であるバリューチェーンにおいて「コンセプトをつくってください」と依頼されるわけです。いわゆる「川下」はユーザーインターフェースで、モノやサービスをユーザーに届けるということ。つまり最初はクリエイティブの「C」で、最後はコミュニケーションの「C」になります。
コミュニケーション領域は、広告ビジネスやマーケティングという巨大市場が生まれました。次はどこにチャンスがあるのかと言えば、僕は左端のビジネスデザインだと思っています。松下電器に新入社員で入社した頃からそう思っていましたが、いまようやく時代がビジネスデザインに注目しています。
そして、ビジネスデザインで絶対に考えなければいけないのは、「BTC(ビジネス・テクノロジー・コンシュマー)」です。端的に言えば、このBTC領域でユニークなシフトをつくることが、ビジネスデザインという活動だと思っています。
<後編はこちら>
「電通」に関連する記事はこちら