平均視聴率10%が持っている意味
この混乱と誤解には、多くの人が視聴率を理解していないことがあります。視聴率は人数ではないです。面積です。そして視聴数とやらからは、視聴率はそのままでは導き出せないんです。そのことをあらためて説明するので、よーく読んでください。
視聴行為はそもそも毎分激しく変化する、つまり大量の人が番組に出たり入ったりするものです。それを均すと、「平均10%」と言うわけです。これは「均すと10%の世帯がずーっと見続けたのと”同じになる”」ということです。均すと10%なので、もっと多い時も少ない時もあるわけです。それを均すと10%、ということは、一度でも見た世帯はもっとたくさんいるはずです。
1時間番組の最初の5分間は視聴率7%だったり、20分過ぎには視聴率15%だったり30分にはまた9%に落ちたり、とにかく上がったり下がったりする。それを均すと「平均視聴率10%でした」とかになるわけです。
人によっては最初の10分だけ見てやめたり、途中で1分だけ見てそれっきりだったり、最後の10分をじっくり見たり、中には1時間ずーっと見続ける人もいる。
となると、視聴率と視聴人数は別で、金輪際、「ホンネテレビが視聴数7400万だったから、視聴率では10%と同じだろう」とか「5%だろう」とか言っちゃダメです。あるいは別の見方をすると、今年の日本テレビ「24時間テレビ」は平均視聴率が18.6%だったそうですが、上に書いたことからすると、いったいどれだけの「視聴数」になるか想像もつきません。多くの人が、ブルゾンちえみの走りを何度も何度も確認したはずです。「視聴数」を地上波テレビが、もしカウントしたらどの番組も途方もない数になりそうです。
少なくとも、もし仮に視聴率を無理やり推計しても、5%なんてことは絶対にないです。
ただとにかく、「AbemaTV」の視聴は地上波テレビに比べるとまだまだ、まだまだまだなんです。これはサイバーエージェントのせいでも、72時間テレビがつまらなかったからでもなく、スマホでテレビのように番組を観る行為がまだまだ、まだまだまだだからです。