濱口秀司が語る、イノベーションを生み出す「ビジネスデザイン」とは?【後編】

ビジネスデザインを発展させる7つの要素

——私たち電通ビジネスデザインスクエアも濱口さんから学びつつ、自分たちが持っている強みを生かしたいと考えて、ビジネスデザインのプロセスを発展させるための、7つのサービスラインをつくりました。

  1. VISIONEERING:企業が進むべき未来の方向性を見いだす
  2. OPPORTUNITY FINDING:企業や事業の新たな機会を見極める
  3. INTEGRATED DESIGN:新たな機会を、包括的な視点で戦略化する
  4. BUSINESS FRAMING:意思決定要素を分析し、ビジネスモデルを構築する
  5. DEEP PROTOTYPE:製品・サービスアイデアを、プロトタイピングする
  6. FUTURE ANALYSIS:新たな事業等の現在価値を導き出し、経営判断を支援する
  7. SHERPARING:事業立ち上げに関わる具体的実行をサポートする

牛久保暖さん

最上流のどんな価値を生み出すかについては、企業のビジョンの策定を造語で「VISIONEERING(ビジョニアリング)」という考え方でプロセス化しています。

2番目は「OPPORTUNITY FINDING(オポチュニティファインディング)」で、目指すべき方向性に対する事業機会を体系立てています。

3番目は「INTEGRATED DESIGN(インテグレイテッドデザイン)」で、事業機会を実際の体験として包括的に戦略化されたデザインに落とし込むことです。

4番目は「BUSINESS FRAMING(ビジネス フレイミング)」で、実際に提案したものがビジネスモデルとして、どのように稼ぎが立つかというところを構造化して提案することです。

5番目が「DEEP PROTOTYPE(ディーププロットタイピング)」で、購買者の意思決定のシミュレーションをコンポーネント化しようとしています。

6番目は、「FUTURE ANALYSIS(フューチャーアナリシス)」で事業価値を算出して「だからやりましょう」と背中を押すことです。そして最後は「エグゼキュート」で、実際に実現するまでクライアントに並走しながら、具体的なサポートを行っていくことです。

濱口:プロジェクトの中身を分解することは、非常に重要です。クライアントにとって具体的な道筋が見えてきますからね。そして、ナレッジも蓄積され、さらに視点やアウトプットを勉強できるため、人が育ちます。

——ありがとうございます。アイデアとロジックの両立の話の中で、ひとりの人間の中で2つの能力を統合させていく話がありました。このプロセスによって、人材を輩出できるようになれればと思っています。

また、濱口さんのスマイルカーブの両端を連結が重要という話がありましたが、その両端をつなげられる点も電通の強みだと考えています。

濱口:ビジネスデザインはクライアントが抱える問題をイノベーティブな方法で解決するプロセスを提案することで、バリューチェーンの最初の部分で価値を生み、その結果として最終のコミュニケーションの部分のクオリティとクオンティティを上げていくことができるでしょう。


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