大企業と0→1のビッグプロジェクトに挑むクリエイターの役割とは?—BCG Digital Ventures

ユニ・チャームとゼロから立ち上げた新事業とは?

—実際にどんなプロジェクトを担当されてきたのでしょうか。

BCG Digital Ventures Lead Experience Designer 馬場園浩一氏

馬場園:プロジェクトを開始する際には、テーマやサービス領域などについてもあまり限定しすぎずにスタートし、ゼロからビジネスのアイディアを考えていくことが一般的です。その際に、先ほどのエスノグラフィックリサーチ等を行い、ビジネスの種を探します。

ユニ・チャームさんとのプロジェクトにおいてもエスノグラフィックリサーチをかなり実施しました。

それらのリサーチを通じてわかったことは、中国の育児系の情報は活字だらけでわかりにくいということ。おむつの替え方ひとつ取っても、Webで調べてみると、画像もなく全てがテキストで説明されているんです。そこで、この「情報のわかりにくさ」を改善するという方向づけをしました。当時は動画メディアの人気が出てきた頃、またインターネット環境も劇的な改善をし始めた時期でしたので、これらを組み合わせて子育てママ向けの動画メディアをつくれるのではないかと考えました。

すぐにプロトタイプをつくって動画を撮影し、ABテストを繰り返したりしながら、パートナー企業、BCGDVのボードメンバー向けのプレゼン時には動画メディアのモックアップまで用意しました。このスピード感とリアリティがあったからこそ、パートナー企業も事業化を決めてくれたのだと思います。

中国にて展開する育児動画メディア「Babily(ベイビリー、中国名”贝贝粒”)」

スタートアップマインドを持ちながら より大胆なチャレンジができる

—これからますます日本での活動が広がっていくかと思います。あわせて、一緒に働く仲間を募集されるそうですが、まずはジョインしたおふたりの、これまでのキャリアとBCGDVで働く魅力を教えてください。

馬場園:私は、元々は動画制作会社でテレビやCMやミュージックビデオの編集、CGなどを担当していました。その後DeNAで、様々な新規サービスに関わりました。BCGDVには、サービスデザインや動画制作など自分の強みを活かしながら新しいサービス・事業の立ち上げができそうだと思い、入社しました。当社はみんながいろんな情報をキャッチアップしながら幅広い視点で仕事をしているので、好奇心のある方なら大いに刺激を受けられる環境だと思います。

花城:ぼくは、出版社からキャリアをスタートさせ、トランスリミットでアプリのUIデザインに携わりました。また、海外勤務時にハッカソンに参加したのですが、そのときに、これまで時間をかけてきたものづくりが、違う領域のスペシャリストが集まれば3日である程度出来るということに気づいたんです(笑)その経験があったので、BCGDVの立ち上げの話を聞いたとき、参加したいと考えました。

当社の魅力は、スタートアップのマインドを持ちながら、一緒に組む大手クライアントのアセットを活かすことで、より大胆なチャレンジができることです。BCGのコンサルティングの力を使って、かなりしっかりしたビジネスプランも立てられるんですよね。デザインファームとコンサルが合体してものづくりができるなんて、ここだけだと思います。

現在は主にプロダクトマネージャーとデザイナーを中心に新たな仲間を募集しています。何かひとつでもコアとなる能力に自信のある方なら、その力を活かしながらチャレンジする環境が整っていると思います。案件もたくさんあってプロジェクトもすごい勢いで進んでいるんです。

一緒に働きたいと思うのは、0から1を生み出すことが好きな人。すごく力はいりますが、やはりそこが最も楽しい部分なので、共感して楽しんでくれる人にはぜひ仲間になってほしいです。

社内にある3Dプリンター。スピード感あるものづくりを実現している。

—働く環境について、今後の展望はありますか?

花城:先のユニ・チャームさんの新事業は双方が出資する形で会社化したのですが、その社長並びにチーフクリエイティブオフィサー(CCO)には、当時プロジェクトメンバーであった当社のスタッフが転籍する形で就任しました。そういうキャリアアップも一つのロールモデルです。
本人が望むなら、いろんなルートを切り開いて活躍の場をつくる。今後はそういったケースをたくさんつくっていきたいなと思いますね。



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