そこで今回、CM制作の中心人物であるXFLAG スタジオモンスト事業本部 マーケティング担当の米田陶哉氏と、企画の発案者である電通 CMプランナーの村上貴義氏に、消費者を動かす仕事術について話を聞いた。
“ユーザーサプライズファースト”が生んだ衝撃のコラボレーション
—「モンスターストライク」のテレビCMが、CM総研の「消費者を動かしたCM展開」賞を受賞されたと聞きました。さまざまなテレビCMの中でも「お仏壇のはせがわ」のパロディCMが、ネット上でもかなり話題になりましたが、これはそもそもどんな経緯でつくられたのでしょう?
米田:今回は「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」とのコラボキャンペーンのテレビCMだったのですが、スタジオが大切にしている理念「ユーザーサプライズファースト」をそのまま体現したテレビCMだと思っています。ユーザーのみなさんの期待を、いい意味で裏切りたいと常に考えているのですが、そのチャレンジがうまく形になったといえます。
コラボキャンペーンのテレビCMですから、まずはコラボするIPの魅力やシズルをいかに直感的に訴求するかが重要です。その上で「モンストらしさ」も驚きをもって表現したい。それらをたった15秒で伝えるには企画の力が必要です。今回もどのような企画に落としていくか苦心していたのですが、村上さんから今回のテレビCMの企画案をいただき、当初は正直驚きました。「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」に「モンスト」に、さらに「お仏壇のはせがわ」という要素を加えた案でしたからね(笑)。
村上:僕の一番の思いに、視聴者に15秒の中でびっくりしてほしいというのがあるんです。面白いと感じるのも、いい話だなあと感じるのも、そこにちょっとした驚きがあるからこそ。驚きによって感情が揺り動かされれば、モンストのいい点は視聴者にすんなりと受け入れられるだろうと思いました。
「手合わせ少女 手合わせ錬成篇」のアイデアは、XFLAG スタジオのマーケティング部との企画会議の場で受け入れられたことが確認できたので、後は企画としての精度を高めていきました。マーケティング部も含め、この企画の実現のために一丸となって動いていただきました。
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—現在はちょっとしたことでも炎上につながってしまう時代です。「お仏壇のはせがわ」のパロディCMというセンシティブなテーマを扱うのには勇気がいったと思うのですが、社内ではどんな受け止め方をされたのでしょう。
米田:正直に言うと、社内でも意見が割れました(笑)。ただ、意見が割れるくらいのほうが感情を大きく動かす可能性を秘めていますし、世の中でも様々な意見が生まれて話題になるかもしれない。先述の「ユーザーサプライズファースト」の精神は、単に驚かせて終わりではなく、その先のコミュニケーションを活性化させることだと解釈しています。
それともう一つ、多くのことを15秒でシンプルに伝えるには、それらをつなぐコアになるものが必要です。今回、表現上のフックとして「手合わせ」というポーズを用いていますが、根底にあったのは「人と人のつながり」でした。「お仏壇のはせがわ」も、「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のストーリーも、モンストの協力プレイも、「人と人をつなぐ」という点で共通している。だからこそ、3社のコラボCMが上手くいくと思いましたし、社内も説得することができました。
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