テクノロジーが可能にする、パーソナライゼーション
私は今年初めて、CESに参加したのですが、テクノロジーとしてこれまでにない新しいものが出ていた印象はなく、むしろ今までイメージされていたようなサービスの具体的なアウトプットが続々と出てきていると感じを受けました。長年、参加しているアメリカ人メディア関係者に話を聞いても、昨年に比べると参加する企業の数は倍くらいになったようですが、昨年と比較して目新しいテクノロジーが増えたかというと、なかなかそうは言い難いという感想を述べていました。
ただ様々なプロダクトを見て感じるのは、どのプロダクトもテクノロジーを活用して、パーソナライゼーションによる、より良い生活の提供を目指そうとしていると思いました。ヘルス関係はもちろん睡眠、スポーツ、音楽、美容など、ユーザーのデータを取り込みながら、ユーザー毎に最適な体験を提供しようとしていました。テクノロジーがパーソナライゼーションを可能にしてきているのです。
過去のテクノロジーはマスに向けたものでしたが、今のテクノロジーはパーソナルに向けたものと言えるのかもしれません。このテクノロジーを活用すれば、広告・マーケティングは今後ますますパーソナライズしたものに進化していけるはずです。
玉井博久
Glico Asia Pacific Pte.Ltd.
Regional Creative/Digital Manager
兼 江崎グリコ アシスタントグローバルブランドマネージャー
リクルート、TUGBOATグループを経て江崎グリコ広告部に。グローバルブランドのポッキーとプリッツを担当し「PROJECT:シェアハピ」「GLICODE®」「プリッツの気持ち」「Pocky day」「教えて!ぐりこっち」などを手がけた後、2017年12月よりシンガポールに出向。著書に『宣伝担当者バイブル』(宣伝会議発刊)。