【前回の記事】「ついに主役に躍り出た「スマートシティ」 — 世界最大規模のテクノロジー祭典「CES2018」現地レポート①」はこちら
「Google」による“半端ない追い上げ”
今年のCESに参加した人が、気付くことがある。それは、どこもかしこも「Hey Google!」なのだ。かつて、これほどまでにGoogleがCESで目立ったことは、あっただろうか。会場に向かうモノレールやサイネージ、そして展示会場などいたる所で「Google Assistant」が存在感を発揮している。
昨年、私は「CES2017」レポートの中で、裏の主役は「Amazon Alexa」だったと報告した。実際に、家電・自動車・IoTガジェットのありとあらゆるモノが「Amazon Alexa」と連携していた。今年は、筆者が予想していた「Amazon Alexa」のさらなる席巻を裏切る結果で、「Google」による“半端ない追い上げ”があったのだ。さらに、SAMSUNG、Baiduといった新たなプレイヤーも、急速に存在感を増していた。AIプラットフォームが、まさに溢れるCESであったと言えるだろう。
Google 対 Amazon AIアシスタント
筆者が展示会場を見渡した限り、製品への導入やアライアンスの浸透度は、両社互角ではなかっただろうか。もちろん、あくまでも肌感覚である。
実際、LGは独自のAIによるスマート家電プラットフォーム「ThnkQ」と「Google Assistant」を連携させていた。「ThinQ」と「Google Assistant」の音声対話機能の両方で、家電の制御が可能になるという。もちろん、「Amazon Alexa」とも連携している。
さらに、Samsung、Haier、Whirlpoolなどの白物家電メーカーは、軒並み「Amazon Alexa」と「Google Assistant」を採用した家電を発表。AIによる音声支援による、新しい家電体験を提案していた。
さらに、IoTガジェットに目を向けても、やはり「Amazon Alexa」と「Google Assistant」との連携が目立っていた。スタートアップ企業の展示では、「Amazon Alexa」が目立っていたが、話を聞いてみると大抵の企業は「Google Assistant」も導入予定と回答した。
米国スマート家電、IoTガジェット市場では、完全に両社のAI音声対話が、プラットフォームとしてデファクトスタンダードになっている。