GoogleがAmazonから主役の座を奪った?世界最大規模のテクノロジー祭典「CES2018」現地レポート②

ビジネスもマーケティングも、枠組みが大きく変わる

AIの可能性について、多くの専門セッションで議論された。CMOセッションでは、マーケティングの観点からメディアの予測モデリングや、インフルエンサーマーケティングにおける話題化のためのSNS活用の可能性に言及していた。

また、IBMではブラジルの大手銀行でのAI活用事例に触れて、「Watson」でコールセンターの満足度を85%に向上させた事例や、AutodeskやMercedesなどでチャットボットのCRM活用による問題解決のための時間の激的な削減の取り組みが紹介された。コミュニケーション領域で、AI活用が本格化していることが伺える。

今回のCESを通して、筆者はAI関連テクノロジーが急速に普及していることを肌で感じた。AmazonやGoogleといったIT巨人のみならず、米国・韓国・中国の先進的企業はAIの活用に舵を切るだけでなく、オープンなクラウドプラットフォームによるエコシステム構築を進めている。

この流れは、「製品と生活者」「企業と生活者」の関係を大きく変えると、筆者は考える。日本のマーケターも、大いに注目するべきだろう。

森直樹(もりなおき)

電通 CDC部長 事業開発ディレクター、クリエーティブ・ディレクター
光学機器のマーケティング、市場調査会社、ネット系ベンチャーなど経て2009年電通入社。デジタル&テクノロジーを活用したソリューション開発に従事し、AR(拡張現実)アプリ「SCAN IT!」、イベントとデジタルを融合する「Social_Box」、「SOCIAL_MARATHON」をプロデュース。さらにデジタル&テクノロジーによる事業およびイノベーション支援を手がける。最近は、経営や事業戦略に基づくUI・UXデザインや、ネット事業モデルによる事業革新の支援プロジェクトに取り組む。日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の幹事(モバイル委員長)。著書に『モバイルシフト』(アスキー・メディアワークス、共著)など。ADFEST(INTERACTIVE Silver他)、Spikes Asia (PR グランプリ)、グッドデザイン賞など受賞。

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