「中核ではなく、境界を見よ」アップル、ホールフーズ、レッドブルを成長させたエッジ戦略

ホールフーズの魅力はジャーニーエッジ戦略

次に、ジャーニーエッジです。自分としては、これが最もマーケティングに活用できる考え方だと思います。すなわち顧客が望んでいる本当の目的を理解し、境界からジャーニー上で自分たちの製品やサービスの位置付けを発想することです。

アマゾンに買収されたオーガニック食料品ストアのホールフーズマーケットは、寿司バーやバーベキュースタンドなどフードサービスを店内に展開し、他の食料品店よりも魅力的な食材が手に入ることで有名です。

フードコートが隣接するスーパーは多いですが、デリで売っている商品がそのまま食べられる場所まで提供している店は、多くありません。彼らは調理した商品を店内でショーケースのように販売することで、食材の魅力を最大限に引き出し、同時に複数の顧客に合ったサービスを提供できます。

ホールフーズによれば、顧客の本来の目的を理解した上で「顧客のモード(様式)」が違うことから発想したサービスだそうです。ひとつのモードは「わたしは食材だけが欲しい」、別のモードでは「家に帰ってから簡単に済ませたいため、ある程度調理された商品が欲しい」、もしくは「調理済みの商品が欲しい」です。このような方向性によって、ホールフーズは実際に2014年、27億ドルの売上のうち調理済み食品が2割を占め、大きな成功をおさめています。

次ページ 「アマゾンやレッドブルは企業のエッジ戦略」へ続く

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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