「中核ではなく、境界を見よ」アップル、ホールフーズ、レッドブルを成長させたエッジ戦略

アマゾンやレッドブルは企業のエッジ戦略

最後は、企業のエッジです。これは、企業が持つ資産や能力を別の文脈で活かすことで、別の顧客への売り込みを可能にする戦略です。上記の2つの戦略に比べると難易度が高いです。一番わかりやすい例は、アマゾンによるクラウドサービスであるアマゾンウェブサービスでしょう。

彼らがコアビジネスのために確保したサーバー能力を他社に売り込むという考えは、アマゾンにとって追加の投資が最小で済むため、大きなリターンを得ることができるからです。

また、レッドブルのようなブランドも、コアビジネスのエナジードリンクに加えて、ブランディングを目的に、レッドブルメディアハウスが運営・配信しているエクストリームスポーツや音楽、テレビ、雑誌コンテンツも売上のなかで、大きな割合を占めています。これらは、ブランディングそのものが資産であるからこそ、成り立つエッジ戦略です。

今回、紹介したエッジ戦略のなかで、自分はカスタマージャーニーから発想するエッジ戦略を考えることで、製品のエッジを含む、新しい成長機会が模索できるのではないかと思います。そのために、まず自身の現在の顧客の理解からはじめ、セグメントした顧客ごとのニーズを分析し、同じ顧客でも商品カテゴリーや状況によって異なる「モード」を理解して、アンバンドリングやアップセルの機会を最大化できると考えています。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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