【前回の記事】「GoogleがAmazonから主役の座を奪った?世界最大規模のテクノロジー祭典「CES2018」現地レポート②」はこちら
「CES(コンシューマー・エレクトロニクスショー)2018」が9日から、米国・ラスベガスで開催された。CESは4000を超える出展企業、150カ国以上の国から18万人以上の参加を見込む世界最大規模のテクノロジーの祭典。スマート家電に始まり、モバイル、自動車、ロボティクス、IoT、AI、AR/VRなど、今後のビジネス環境に大きく影響を与えるテクノロジーや先端的の取り組みに触れることができる。電通の森直樹氏が、現地からマーケティング・コミュニケーションの視点で最新情報をお届けします。
テクノロジーの進化が「収穫期」に入った
ここ数年、アドタイ上で「CES報告レポート」を書くなかで、欧米企業の経営においてテクノロジーが日本に比べて、かなり重要視されているように感じる。そして、試行錯誤を繰り返しながら、テクノロジーの進化を適切に追いかけているように思う。今回、筆者が感じたことは、それらが「収穫期」、つまり稼げるフェーズに入り始めているということだ。
特に印象深かったのが、SAMSUNGやLG、Whirlpoolなど、スマート家電の進化である。ほんの数年前、彼らが提供していたネットやスマホに接続できる冷蔵庫や洗濯機。筆者はディスプレイを搭載した冷蔵庫を見て、機能的価値を感じることはできなかったし、消費者のライフスタイルを激的に変えるとは思えなかった。
しかし、今年のCESでの展示やセッションに参加して、AIアシスタントとの連携やクラウドベースのオープンプラットフォームの構築で、それらの体験が機能的に思えた。家電を通じたライフスタイルを、大きく変化させる可能性が十分にあると感じた。「Amazon Dash」と連携する冷蔵庫、Samsung「SmartThings」との連携やエコシステムの拡張は、少なくとも米国ではライフスタイルを大きく変えるだろう。