エージェンシーでもなく、プロダクションでもなく
—お2人の関係性は?
曽原:ロサンゼルス(LA)にいた時に、AppleのエージェンシーであるTBWA\Media Arts Labでチームメイトとして働いていたのがジョンです。その後も色々なプロジェクトを一緒にやっていて、気心の知れたパートナーです。
—なぜ、2人で独立を?
曽原:大きなエージェンシーの仕事では、大きなクライアントの大きな仕事がメインです。しかし、スタートアップやテック系企業のスピード感ある仕事が世の中で増えてくる中で、僕らの仕事はそこにマッチするんじゃないかと考えたんです。
ジョン:2人とも、グローバルレベルでのビジネス、グローバルのチームを動かしていく経験を多くしています。2人で組むことで、米国に進出したい日本企業、日本に参入したい米国企業、それぞれのマーケットでさらに成功したい企業、その全てをサポートできる。特にスタートアップ企業には、大きなエージェンシーに初期投資をして大々的なキャンペーンを打つのではなく、より軽やかに動いてくれる人たちを求めています。そういうニーズ応えていきたい。
—お2人はどのように協業するのですか?クリエイティブスタジオという言葉に込めた意味は。
曽原:2人ともコピーライター出身なので、コピーライターとアートディレクターのように2人で完結する組み合わせではなく、互いにコンセプトをぱっと考えてきて話し合いながら、デザイナーや写真家など必要なスタッフを都度アサインしていくスタイルです。
ジョン:社内にチームは抱えないけれど、オリエンを聞いてデザイナーが必要だなと思ったらもう次の日にはアサインしている。そんな軽やかさと柔軟性を大事にしたいと思っています。
曽原:僕たちはエージェンシーではありません。マーケティングスタジオ、ブランディングスタジオといった、「スタジオ」の感覚で動きていきたいと思っています。その心は、ジョンが言ったように、僕たち2人をコアにプロジェクトに合わせて柔軟に形を変えていけること。アメリカはフリーランス文化の強い国で、僕たちはそこに強いネットワークを持っている。テーラーメイドで色んなチームを作っていけるのが独自性になると思います。
ジョン:クライアントの中にはインハウスでクリエイティブチームを持っていたり、プロダクションに直接発注しているところもありますよね。エージェンシーでもないプロダクションでもない、スタジオという形を取ることで、こういうクライアント内のチームとも仕事ができると考えているんです。
曽原:例えばプロダクションと直接進めている案件では、プロダクションは形を作るプロフェッショナルだけれど、コンセプト開発が弱いという課題があるかもしれない。僕たちはそこを埋めることができます。逆に、インハウスチームは戦略やブランド理解は強いが、形にする部分で助けが必要かもしれない。そのアシストだってできる。戦略から形にするところまで、ニーズに応じて提供していきます。