「Death of Bad」の意味するところ
—東京とLAに拠点を置くということですが、曽原さんが東京に、ジョンさんがLAにいるということですか?
曽原:基本僕もLAベースです。ただ、2人とも頻繁に行き来するので、拠点はどちらにもあります。日米半々くらいの割合で、仕事ができたらと思っています。
—社名の「Death of Bad」の意味は?
曽原:全員に聞かれます。「DeathでBadでってどういうこと?」って(笑)。意味は「Badの死」なんです。マイナスとマイナスを掛け合わせてプラス。だからものすごくポジティブな名前です。これは僕らの決意表明のようなもので、本当に今日した仕事は、BadなものをGoodにできたのか。Goodなもので人をHappyにできたのか、を自分たちに日々問いかける意味でつけました。
ジョン:この業界にいると「Great」なものに固執しがちです。Greatなアイデアはとにかく素晴らしい、賞を取れてすごくよかった、というような。Greatを目指す姿勢は常日頃持っておきたいのですが、一方で私たちはその過程にBadなところがないことを大切にしたい。一緒に働く人たち、働き方がよくなければGoodにはならない。私たち自身良い人でありたいし、良い人(Good people)と働きたいですから。
曽原:ジョンのネーミングなんです。とてもいい名前だと思っています。
—ここからどんなアウトプットを出していきたいですか?
曽原:日本ブランドが海外に進出する時の壁は高い。日本サイドから見たDeath of Badの仕事のポイントは、コンテクスチュアル(文脈的な)日本企業のコミュニケーションを、海外で通用するコンセプチュアルなものにしていくことだと思います。その両方をうまく融合するようなクリエイティブにチャレンジしていきたい。
ジョン:僕はアイデア自体に鼓動というか、意思のようなものがあると思っています。いいアイデアは、いったん世に出されると、自分で進む方向性を決めていくようなところがあって。アイデアを出したのは東京チームでも、実際の作り込みはロンドンが得意だからこっちで、そこにLAチームがさらにアイデアを足して、というように独り歩きして大きくなっていくものです。私たちは、その最初のアイデアを出せる人でありたいと思っています。
曽原剛
博報堂入社後、ロサンゼルスのTBWA Media Arts LabでAppleの仕事を手がけ、グローバルクリエイティブチームの主要メンバーとして活躍する。2014年よりJWT Japanのエグゼクティブクリエイティブディレクターに就任。2018年よりDeath of Badにて活動開始。
Jon Lancaric
ニューヨークのMotherやGoogle Creative Labにてクリエイティブ兼ディレクターとして活躍。その後、TBWA Media Arts LabにてクリエイティブディレクターとしてiPadのローンチなどを手がけた。2015年よりDeath of Badの名前の元、様々なプロジェクトを開始。2018年からDeath of Badを日本にも拡大。