資生堂アメリカのJWALK買収に見る、クリエイティブを重視する新しい組織の形

2つのブランド構築を皮切りに、包括的なクリエイティブパートナーへ

資生堂は2010年、サンフランシスコの化粧品会社・ベアエッセンシャル社を買収し、ミネラル化粧品の「bareMinerals(ベアミネラルズ)」、メーキャップの「Buxom(バクソム)」という2ブランドを傘下に収めた。JWALKは創業以来、この2ブランドのソーシャルメディアおよびデジタルコンテンツ、グラフィック、パッケージなどの企画制作を手がけてきた。

今回の買収により、資生堂アメリカのクリエイティブチームとなったJWALK。今後はコミュニケーション領域のみならず、上流の戦略構築、商品開発も視野に入れ、「on the table(同じ意思決定のテーブルにつくこと)」で資生堂アメリカのマーケティング・コミュニケーション活動を多角的に支援していく。

資生堂は中長期戦略VISION2020の一環として、デジタル、スキンケア、フレグランス、メーキャップの4領域において研究・教育・投資を推進する専門機関CoE(センター・オブ・エクセレンス)を設立。4つのCoEのうち、日本にはスキンケアを、米国にはデジタルとメーキャップを、フランスにはフレグランスを設置している。

“日本流”を輸出することに拘泥せず、各リージョンの強みをさらに強化しシナジーを発揮しようとする資生堂のグローバル戦略。デジタルとメーキャップのCoEが設置されるアメリカにおいて、ブランド開発、デジタル領域そしてソーシャルメディアに強みを持つJWALKが果たす役割は大きい。

次ページ 「イノベーションは、テクノロジーではなくリレーションから生まれる」へ続く

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