“既視感”のある施策はやらない。XFLAG スタジオが仕掛けるマーケティング戦略とは。

コミュニケーションツールとしてのモンストの可能性

—ユニークな企画を次々に生み出されていますが、どのような姿勢でアイデアが生まれるのでしょうか?

岡野:ひとつには環境がありますね。企業風土として“チャレンジ”を求められるスタジオですし、歓迎もされる。あとはコンテンツ自体への信頼感ですかね。自社のことですので手前味噌ではありますが、ゲームの中身は開発チームのアイデアやスキルのおかげもあって間違いなく面白い。マーケティング部としては、ユーザーさんを連れてくることに集中できるということがあります。

米田:ずっとモンストをやってくれているユーザーさんも「モンストは斜め上の企画をやってくれる」という期待値が生まれてきているかもしれないですし、それを越えていかなければならないな、という意識が社内で共有されています。スタジオの大切な考え方である『ユーザーサプライズファースト』ですね。

また、単純に突拍子もないことをして驚かせる、というだけでなく、ユーザーのことを考え抜き、その行動や生活の中にどのように入り込んでいくかも意識しています。例えば「モンストビンゴ」という企画は、TV番組や、イベントへの外出などの“可処分時間の過ごし方”としての競合も多い大晦日に、「ながら」で楽しめるよう内容の理解が容易な「ビンゴ」という王道コンテンツをあえて選びました。また、UX、UIとしてもアプリ内から番組とビンゴカードを一画面で同時に見られるようにしました。年末恒例のTV番組を見ながら、スマホでモンストビンゴを見てもらえる最適な環境を作るためです。企画を立てる際には、コンテンツに接触するユーザーが置かれている状況やマインドも意識するようにしていますね。

岡野:モンストはコミュニケーションツールである、というのが私たちのスタンスです。
単なるゲームとして考えると企画の幅は狭まりますが、コミュニケーションツールとして捉えることで様々な可能性が生まれます。十二支再競争もモンストラックアウトも、そういったモンストのコンセプトを重視した結果、話題にも繋がり、モンスト同様コミュニケーションツールとして成り立ったのではないかと。

バカらしいことを大真面目にやるために

—生配信企画をやる際はトラブルや予期せぬハプニングがつきものだと思います。その点はやってみていかがでしたか?

米田:生放送って、何が起こるかわからないからチャレンジングですよね。モンストラックアウトの時は江頭2:50さんを起用していたので暴走を気にしていました(笑)。 

モンストビンゴの時もすごくバカらしいことを大真面目にやりたかったので、わざわざ世界最大のビンゴマシーンを作ってその場で回しました。加えて競技の公平性を何よりも大事にしていたので、デジタル表示でなくリアルにする必要があったんです。あれがもしデジタルだったら「操作されてる感」が出てしまう。そういった部分には特に気をつけていました。

岡野:苦労したというか、そもそもスマホゲームが普及したのって本当にここ5年以内といったところじゃないですか。今では多くの方が楽しんでくださっていますけれど、そういった歴史的背景を見ても、まだまだセオリーのような「解」は誰も持っていません。もちろん、パートナーである広告代理店の方々も分からない部分が多いと思っています。そのため、仕組みも含めて、まず新しいことを当事者がやってみるしかないんです。
 
—今後のモンストのプロモーションについての展望を聞かせてください。

岡野:メディアは変わってきていますが、友だちとの会話やコミュニケーションを楽しみたいという、ユーザーの根源的な欲求は変わっていないと思います。モンストはコミュニケーションツールなので、これからも色んなアプローチを考えて提案していきたいですね。

米田:バカなことをすごく真面目に提供する、ということはこの先も続けていきたいですね。
モンストラックアウトなどを通じて感じるのは、プロダクトと広告の境目がどんどんなくなってきているということ。そういった意味では、従来の広告の枠にとらわれず新しいことに挑戦できる環境だと思っているので、これからもユーザーをいい意味で裏切っていければと思います。

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