デジタルインテリジェンスは、テレビCMの到達状況に応じたデジタル広告の配信を行う「CMARC(シーマーク、正式名称=TVCM Actual Reach Completion Ad Delivery System)」の新サービス「CMARC リターン・エース」の提供を4月から開始する。自社CMの補完や相乗効果をねらうだけでなく、競合他社のテレビCMへの対抗策となるデジタル広告の配信を可能にする。
テレビCMとデジタル広告の最適な配分は、費用最適化と効果最大化のための重要な課題だ。効果的に組み合わせることで、消費者の認知拡大や態度変容につながることが指摘されるが、担当部署やその専門性の違いなどから、実際にはうまく機能しないこともある。それぞれのメディアの特性を引き出しながら、効率的に現状分析、効果測定を行い、次のアクションにつなげていくには、統括的なマネジメントとその指標が必要だ。
「CMARC」は、テレビCMの視聴データをほぼリアルタイムに取り込み、ターゲット到達状況について、到達人数(リーチ)と表示回数(ターゲット・インプレッション数)別に割り出し、ターゲット毎のフリークエンシー(接触回数)を分析、デジタル広告で補完すべきかを即時に判断するサービス。
今春開始する「CMARC リターン・エース」は、競合他社のテレビCMを分析対象とする。競合ブランドのCM到達状況をリアルタイムで観測・分析し、発注権限者にアラートが出される仕組みで、権限者がGOサインを出せば最短翌日にも対抗策としてデジタル広告の出稿をすることができる。同サービスでのデジタル広告の配信には、競合他社のテレビCMが到達しているターゲットにあえて当てる「競合迎撃型配信」と、競合が到達していないターゲットや時期をねらう「競合追撃型配信」の2種類がある。
昨今、データを用いたテレビCMのより効率的な活用を促す動きが増えている。同社 代表取締役 横山隆治氏は、月刊『宣伝会議』5月号にて、データ活用の観点から、テレビメディアの方向性について述べている。横山氏の記事はこちら