「72時間ホンネテレビ」の企画の裏側(ゲスト:キングコング西野亮廣)【後編】

72時間ホンネテレビの企画の裏話を披露

権八:そのへんの問題意識はよくわかります。あの、実は作家として「72時間ホンネテレビ」やらせていただいて。その言葉も。Abemaという場所で彼らの本当の声を聞きたいじゃないですか。それは世間のニーズ、空気がそうなってたわけで。それに彼らのことに限らず、世の中が嘘だらけのこんな時代に、さあ番組やるぞというときに、何をやるのか。本音だと。で「ホンネテレビ」と発表して。

西野:それめちゃくちゃ面白いですね。

権八: 番組でSNSをやることは決まってたんですね。SNSはまさに本音じゃないですか。事務所を通さずに生身の、自分の言葉で本音を語るからホンネテレビなんだと。もっと言うと、テレビだけどSNSだと。番組の中から出演しながら投稿して、みんながシェアして。いろいろな人がいろいろなことをあげて、それをさらに番組で出すと、行ったり来たりをバンバンやって。

澤本:循環してね。

権八:循環して、バズらせようと。けどそれは全部、本音だからなんですよ。本当のこと。嘘がない生身の。生放送で嘘がなくて。だからその問題意識はすごくわかります。

西野:それ面白いですね。SMAPさんに関しては勉強しました。勉強会開きましたから。

一同:(笑)

西野:ホンネテレビ出られた側と、出られてない側があるわけじゃないですか。それが今後どうなるんだと。座標軸みたいのいっぱい書いて、ここがこう移動したわけだよねと、研究会やりました。確かにホンネテレビってめちゃくちゃ良いタイトルですね。

権八:そうなんですよ(笑)。でも、それはテレビを否定するわけじゃなくて、テレビはテレビですごいし、この社会に必要な窓みたいなもので。ただ世の中のいろんな変化の中で、それだけだとちょっと息苦しいかもってなってきて、そうじゃない、ネットに誕生した、Abemaという新しいテレビにも存在意義を持たせたかったんです。だから、Abemaを「新しい別の窓」と定義して、それで「アベマ」と略して。

西野:え、そうなんですか!? Abemaって新しい別の窓の略なんですか?

権八:後付けでそう考えて(笑)。そうやってAbemaに改めて存在意義を持たせたほうが、世の中の風通しがよくなりそうじゃないですか。

西野:超面白い。権八さんが裏でやられてたんですね。

権八:僕1人じゃないですよ。澤本さんが言う、テレビはいいものだと言い続ければもっとよくなるというのはすごくわかるし。

西野:いいものだと言ったほうがいいですよね。これは苦言になってしまうんですけど、僕より上の世代の方々がテレビはあまり自由がなくて、テレビでできないことをネットでやるんだと掲げてるんですけど、そんな無茶、別に新しくも何ともないし、日本以外どこでもやってるし、スケールも小さいし。過激なことするんだとネットに求めちゃうと、ネットがすごくて、テレビがおじさんおばさんのものとなるけど、やっぱりどう考えても日本は田舎なので。山や田んぼを守ったほうがいいですよ。

澤本:本当にそう思いますよ。こんなことは不可能かもしれないけど、システムとしてテレビジョンというシステムは素晴らしいじゃないですか。そこの人が全部変わったら、たぶんほぼ違うものができるじゃないですか。

西野:確かにそうですよね。

澤本:今はそこが変わらないから、今までの中で良いものをやっていて。それはいいんですけど、仮に過去に全くテレビをやってない人達に、急にお前ら来週放送しろと言ったら、何の知見もなくてこのシステム使って何しようかなと考えたら、違うものができるかなと。

西野:なるほど。面白いですね。

澤本:いろいろ僕らがやれてなくて、やったら面白いことって転がっていて。それをやれてないだけじゃないかなと思っていて。年次の若い方々がテレビ好きだと思ってくれて、もっとテレビで何かしたいと思っていただければ、変わると思うんですよね。

西野:確かに。

澤本:今、普通の15秒、30秒のCMやりたいという人はそんなにいないんですよ。どちらかというと、みなさんWeb方向に行ってるので。15秒、30秒って制約多いじゃないですか。それよりはというほうが多い気がしていて。だから僕らみたいなおじさんがまだ生きていけるという、あまりよろしくない状態で。

西野:いえいえ、才能があるからですよ。誰でも彼でも生きていけるわけじゃないですから。テレビはちゃんとやりたいんですよね。

澤本:テレビをどこかでリブランディングできると、相当良いと思いますけどね。

権八:西野くんがディレクターからインタビューされている途中でキレて帰っちゃったという話があるじゃないですか。

中村:炎上しましたね。

権八:でも、それだってテレビにおんぶにだっこのタレントじゃないからできることで。

西野:ありましたね(笑)。大丈夫ですよ。これ使われたらまずいとかないですから。

中村:というわけでお別れの時間が近づいてきておりますが、今後のご予定は、まずは映画ですね。

西野:そうですね。来年、映画と、今やってるレターポットですね。これも半年後は飽きてるかもしれないですけど、今は一所懸命やってるという。

権八:本もね。

西野:去年出した『革命のファンファーレ』、そう飽きちゃってるんですよ、これもね。

権八:売れに売れてるよね〜。

<END>

構成・文:廣田喜昭

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