自社で不祥事が発覚!広報が頼れるマニュアルとは

新刊『危機管理&メディア対応 新ハンドブック』の著者で、国内外でメディアトレーニングの講師を務めてきた山口明雄氏が、初心者のための「危機管理広報のいろは」を解説する。

Q.我が社には、「危機管理広報マニュアル」がありません。広報として独自に作成すべきでしょうか。また、どのような内容を盛り込めばよいでしょうか。

A.危機管理広報マニュアルは必須。初期対応から収束までの手順を盛り込んで。

危機管理広報マニュアルは独自に作成するべきです。企業・団体・自治体などあらゆる組織は、少なくとも「リスク管理マニュアル」「危機管理マニュアル」「危機管理広報マニュアル」「SNS利用ガイドライン」の4つの危機対応マニュアルを備えるべきだと思います。

しかし広報会議編集部のアンケート(「企業の広報・PR活動に関する調査2018」、2017年11月~12月)では、「自社に危機管理広報マニュアルがある」と答えた方は33.5%という結果が出ています。これは大問題です。皆さんの会社でも、新年度に作成や内容の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

危機管理広報の目標は

4つの危機対応マニュアルは、どれも「危機を管理する」という目的のものですが、その目標は大きく異なります。リスク管理マニュアルは「危機を未然に防ぐこと」、危機管理マニュアルは「発生した危機を抑制し、人的・経済的な損失を最小限に留めること」です。

危機管理広報マニュアルにおいては、「危機の現状や発生後の自社の対応・対策を、メディアを通して広く国民に周知すること」が第一の目標です。そのうえで、一方的な報道による名声・信用の失墜を抑制することや、社員を含むすべての利害関係者と緊密な連絡を保ち、適切な指示を与えて動揺を抑えることも盛り込まれています。最後のSNS利用ガイドラインは、前回の連載で触れた、炎上を防いで賢くSNSを利用するための案内書です。このように、4つのマニュアルでは内容もまったく異なるのです。

次ページ 「「発覚」したときに頼れる存在」へ続く

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ