なぜ思い通りに進まないのか…「子育て」と「プロジェクト」意外な共通点とは!?

子育ても、仕事も、「八面玲瓏」への道は日暮れて遠し

ある施策がうまく行くと、次の局面で打てる手の選択肢は広がります。うまくいかなければ、それが制約条件となります。プロジェクトとは、常に現在の局面を冷静に分析したうえで、次の一手を繰り出し続けるという行為です。
ほとんどの人は、うまく行っている時は楽観シナリオ、そうでないときは悲観シナリオ、と状況によって思考をモードチェンジしながら物事を進めていくかと思いますが、あまりにもその振幅が激しいと、精神的な消耗を生んでしまいます。そこで感じたのが「八面玲瓏」という言葉の有効性であり、主観の沼に足をとられずに、楽観も悲観も平等に見極めて、その中道をいく思考をすることによって脳内リソースを節約することが、とても大事だと思ったのでした。

そのことを感じてから、ビジネス上のプロジェクトにおいても、「悲観もしない、楽観もしない」の境地を実現するように心がけてみました。それは、プロジェクトマネジメントという行為にとっては、とてもプラスになりました。単純に、自分自身の思考リソースを温存できるため、物事の判断の精度やスピードが高まりますし、結果、実施した施策のブレが少なくなるという好循環が発生します。

そしてあらゆるプロジェクトにおいて、「悲観もしない、楽観もしない」を実践していこう、これぞプロジェクトにおける極意だッ・・・!と、思いを強くしていた矢先、本書の出版プロジェクトが始動することになったのでした。

プロジェクト工学のコンセプトの書籍化は、以前から強く望んでいたことであり、まさしく千載一遇だったのですが。「そのプロジェクトが特別な行為であるとの思いが強いと、その分だけ、過度に期待をしたり、不安や失望を感じたりということの振幅が大きくなる」を文字通り繰り広げ、刊行に至るまで、ありとあらゆる工程で擦った揉んだがありました。

本書では、その過程もまたプロジェクト事例として取り上げ、考察を行なっています。子育ても、SIプロジェクトも、出版企画であっても、それがプロジェクトである限り、共通する構造があります。是非、本書を手にとってそのエッセンスを共有させていただけたら、幸いです。是非、今後とも、「プロジェクト工学」並びに「プロジェクト・エディティング」にご注目ください。


書籍案内
予定通り進まないプロジェクトの進め方』(3月29日発売)
ルーティンではない、すなわち「予定通り進まない」すべての仕事は、プロジェクトであると言うことができます。本書では、それを「管理」するのではなく「編集」するスキルを身につけることによって、成功に導く方法を解き明かします。

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