自信を持ったスピーカーになるために必要な3つのこと
自信を持ったスピーカーになれといきなり言われても、それは難しいかもしれません。もちろん、ある程度自分で割り切ってしまえば、臆することなく堂々とすることも多少はできるかもしれませんが、それだけでは足りません。私自身の経験から、自信を持ったスピーカーになるための3つの方法を紹介したいと思います。
1 ビジネス英語の基本原則を知る
ビジネスの世界においては、セオリーがあります。それを知っているのと知らないのでは、全く違います。たとえば、会議やプレゼンの始め方や進み方、あるいはディスカッションの時の議論の仕方、はたまた電話会議の時の会議の仕切り方など、決められたシチュエーションでのあるべき流れというものがあります。
この大きな流れを知っておくことで、堂々と振る舞うことができると思います。例えるならば、ビジネス英語におけるプロセスや流儀などを知っておくといういわば「英語でビジネスする際の全体見取り図」を頭に入れておくということでしょう。このあたりは本書の第4章「シチュエーション別 使える英語」という章で詳しく紹介しています。
2 重要単語・フレーズ
セオリーを知っていたら、次はそこで使われる単語や常套句を覚える必要があります。ここは少し暗記することも必要になってくるかもしれません。しかし、その種類はそれほど多くありません。ビジネスにおける英語は、日常会話で必要となる英語と比べると意外とパターン化しています。したがって、シチュエーション別に必要となってくる重要単語やフレーズをある程度覚えておくだけで、さらなる自信がついてくると思います。
先ほどの例えでは、ビジネス英語におけるセオリーを知ることは全体見取り図を入手するようなものだと言いましたが、そこで使われる重要単語・フレーズを知ることは、シーン別に求められる基本的な表現が使えるということであり、家に例えるならば、重要な柱を建てていくことに似ています。
3 POV(Point of View)
自信のあるスピーカーになるための最後のポイントがPOVです。POVとは、「point of view」の略です。日本語に訳すと、「視点」になるのですが、要するに、あなたの物の見方ということになります。
Hiromi, what is your point of view (POV)?
ひろみさん、あなたはどう見ますか?
あるいは、単純にこのように聞かれることも多いと思います。
What do you think?
どう思いますか?
これは、英語そのものというよりも、英語的な考え方を身につけておこうということに近いかもしれません。つまり、ある事柄に対して、あなたはどう思うのか、ということをいつでも話せるようにしておく、ということです。非常に欧米的な考えかもしれませんが、ビジネスにおいては必ず自分の意見を聞かれます。
慣れないうちは、いきなりそんなに言われてもわからないよ、という気持ちになる方も多いと思いますが、そのような方のために一つだけ考え方のアドバイスがあります。
それは、まずは二択で考えることです。
好きか、嫌いか
成功すると思うか、しないと思うか
十分か、十分ではないか
認めるか、認めないか
まず上記のような二者択一で考えてから、その理由を述べる。それだけでもあなたのPOVは述べていることになります。このような自分なりのモノの見方、自分なりの意見ということが英語においてはとても重要になります。自分なりのPOVを持つことをぜひ意識しながら英語の勉強もしてみてはいかがでしょうか。
本書ではこのように、英語を使う際の考え方から、実際の会議やプレゼンで使える単語やフレーズまで、日本人が自信をもって英語を使えるようになるまでの道筋を教えています。また本書には、私がここまで英語に関して学んだすべてのことが詰め込まれています。もしこのコラムに興味を持ってくださったのなら、ぜひ本書を手に取っていただき、英語をあなたの武器にしていただければ著者望外の喜びです。
書籍案内
『マーケティング英語の教科書—完璧ではなくても、仕事で自信を持てる英語—』(3月14日発売)
ビジネスにおける英語は、完璧である必要はありません。本書では、ネイティブのようには話せなくても、ビジネスの現場で頻出する「型」を知って、効率的に現場で使える英語を身に付けることを目指します。