100兆円企業になるための秘訣とは?Google、Facebook、Apple、Amazonの次の未来の企業を担う8つの要因

【前回の記事】「「中核ではなく、境界を見よ」アップル、ホールフーズ、レッドブルを成長させたエッジ戦略」はこちら

ギャロウェイ教授の著作に学ぶ未来への指針

123RF

Google、Facebook、Apple、Amazonをグローバル最大の企業価値を持つ4社を「The Four」として、その分析を辛辣な視点でしたためた、ニューヨーク大学スターンスクールのスコット・ギャロウェイ教授。彼は著作の『The Four』のなかで、この4社に続くための方法として、彼らの市場価値である100兆円=Trillionドルのレベルの企業になるためにはどのようなことが必要かを解説しています。

名付けて、Tアルゴリズム(TはTrillionの略)。彼によればそれは以下の8つの要因となります。

  1. 製品の差別化
  2. ビジョナリー資本
  3. グローバルリーチ
  4. 好意度
  5. 垂直統合
  6. 人工知能
  7. キャリア上昇
  8. 所在地

まず「製品の差別化」、というのは当たり前のように見えます。ただギャロウェイ氏が面白いのは、デジタルメディアの現在の環境の変化によって、マーケティングしなければ認知されず売れなかったような商品が、その製品の良さを発見され、それが少数のグループによって支持されるコミュニティとエコシステムを持つことが可能になり、再び「製品の時代」になったと指摘している点です。

もちろんそれを支えているエコシステムの一つはAmazonのフルフィルメント能力だったり、GoogleやAppleのアプリストアだったりするわけですが。同時に氏は、ケヴィン・ケリー氏(『WIRED』の創刊編集長)のように、製品を、サービスと切り離さず、エコシステムとして捉えています。

テスラ社の電気自動車のOSが随時最新のソフトにアップグレードされるように、デジタル時代における製品の品質は、“物理的な製品”を買うことによって固定化されるものではありません。その意味でトータルなエコシステムにおける差別化を考えることは、これまでコモディティであったものでも十分ポテンシャルがあるといえます。ユニリーバが買収したサブスクリプション企業のダラーシェイブクラブはそのような差別化の成功例です。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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