AI(人工知能)テクノロジー企業のAppier(エイピア)は4月25日、「2017年 日本版 インターネット消費者動向調査」を発表した。
今回調査を実施した背景について、Appierの広報担当者は、「複数のデバイスを所有するアジアの消費者の行動は、目まぐるしく変化しています。当社では、マーケターが現在の消費者行動を理解し、マーケティング施策に生かしてもらえるような情報を提供することを目的としてこの調査を実施しました」と話す。
同レポートの中で、同社が特筆すべきポイントとして上げているのは下記3点だ。
・日本人のデバイス所有台数の半数以上が、3台以上のデバイスを所有
複数デバイスを使用する日本の消費者のうち、58%が3台以上のデバイスを保有しているという。また、4台以上のデバイスを保有する消費者は、アジア市場と日本のどちらも40%に達していることから、日常の生活にデバイス利用が深く関わっていることがわかる(図1参照)。
【図1】
・デバイスを横断して行うAIを活用したキャンペーンでは、シングルデバイスと比較してコンバージョンが平均315%増加
AIを活用した広告キャンペーンにて、シングルデバイスとクロスデバイスによるコンバージョンをアジアと日本で比較すると、どちらもクロスデバイスでのキャンペーンが良い結果に。特に日本ではシングルデバイスに対し、クロスデバイスは平均315%増のコンバージョンが認められた(図2参照)。クロスデバイスジャーニーにおいてターゲットのオーディエンスへのリーチを支援することこそ、AIが得意とするところだと同社は分析する。
【図2】
・日本の消費者は広告に反応するまでの時間は短いものの、コンバージョンを実施するまでに時間がかかる
日本の消費者はアジアの平均的なユーザーより広告への反応性が高く、226%少ないインプレッションでクリックするということが明らかになった。一方で、日本の消費者はコンバージョンまでの広告クリック数がアジアとくらべ295%多く、決意が固いという気質が示されていると同社は述べる(図3参照)。これにより、日本のマーケターは、クロスデバイスを活用し、ベストな広告タイミングや頻度を工夫することで、コンバージョンを獲得する必要があるという。
【図3】
今回の調査結果を踏まえ、同担当者は日本市場におけるオンライン上の消費者行動の今後の展望について次のように話した。
「サービスや製品の検索から購入までポータブルデバイスで完結する、優れた顧客体験を提供するアプリやサービスが増加すれば、デバイスの利用率はさらに上昇することでしょう。当社の今回の調査では、日本では単一のデバイスキャンペーンと比べてクロスデバイスキャンペーンの方が大きな効果が見られました。マーケティング担当者は、高いROIを達成するために、複数のデバイスを横断して自社のブランド資産を最適化することが求められています」。