情報感度とITリテラシーが高くこだわりとセンスを持つシニアたち
第一部ではADKの末永幸三氏が登壇。新シニア像「オタクティブシニア」についての概要と攻略のポイントについて講演した。末永氏はまず日本のシニア市場について「現在、日本人の3人に1人は60歳以上で、その割合は15年後には全人口の4割を超えると言われる。シニア市場は2012年時点で100兆円を超え、今後も1兆円ずつ増えていく見通しだ」とシニア市場の可能性について述べた。
こうした状況の中、ADKではシニア調査研究プロジェクトチーム「今どき☆新シニア研究所」を発足。調査研究及び情報発信を行うほか、クライアント企業に対し、シニアビジネスのサポートを行っている。同プロジェクトチームは、一括りにされがちな「シニア」というカテゴリーをその意識と価値観から、男性5、女性6の計11タイプに分類。その中で現役志向が高く、リーダー的存在のアクティブシニアとは一線を画す「オタクティブシニア(オタク+アクティブ)」の存在に注目した。
末永氏は「ポスト団塊世代に多い“オタクティブシニア”は流行感度が高く、こだわりや個性を持つほか、賢く節約しながらも楽しく消費し、ITリテラシーが高い。彼らにアプローチするには『ネット施策』『昔懐かしいコンテンツ』が有効であり、商品開発をする際は、センスがある彼らの目線に合わせることで若年層にも広がる可能性がある」と述べた。
続いてADKの挽地信孝氏が「新シニアを攻略する絆ダイレクトマーケティング」について講演。挽地氏は「オタクティブシニアはITリテラシーが高いため、情報接触が多い。若者よりも細かく市場をセグメントし、密なコミュニケーションをする必要がある」と説明。
絆に注目したのはシニアを対象にした調査で「配偶者や友だちと過ごす」などの「絆づくり」を重要視していたからだという。さらに絆づくりに必要なポイントとして挽地氏は「セグメント深堀による絆づくり」「デジタルとリアルによる絆づくり」「コミュニティによる絆づくり」の3点を掲げ、各事例を紹介した。
第二部ではアクアの成田篤史氏による基調講演、第三部ではパネルディスカッションが行われた。パネルディスカッションでは成田氏のほかに、ADKの稲葉光亮氏、スカパーの三上武典氏が登壇。シニア市場の可能性を探った。
成田氏はシニア世代のITリテラシーの高さの事例として、自社が展開するITランドリーの会員登録がWeb限定にも関わらず、40%以上が50歳代で占められている例を紹介。さらに三上氏は新作よりも「24時間時代劇が見られる安心感」を訴求することで加入率UPに成功した例を紹介し、シニアのインサイトを見ることの重要性を指摘した。最後に、稲葉氏が日清食品と共にシニア向けの豪華なカップ麺を開発、販売をしたところ、コンビニを利用する若者にも支持されヒット商品となった事例を紹介し、セミナーは終了した。
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