【座談会】ACCの進化は第2フェーズへ 久保田和昌氏×山口有希子氏×藤井久氏

クリエイティブを生み出すプラットフォームへ

山口:そのために本質的なことを見る努力と、さまざまな手段を勉強しなければいけませんね。手段によって伝わり方、感動の仕方が変わっていきますから。勉強しなくちゃいけないことが、いっぱいありますね。

久保田:しんどいですね(笑)。だって口では言うけど、本当の意味で理解するのは難しいじゃないですか。だから、誰が知っているかを知っておく。知恵がどこにあるのかを探しておく。そうじゃないと、もう無理ですよ。ネットワークからの巻き込み力。志を共にして、突破しないとダメじゃないですか。仲間が社内外にほしいです。

藤井:ACCなら巻き込まれる人が集まっていると思います。賞以外でも集って、何かを融合させて生み出すという機会をつくったらいいんですよね。

山口:ここはプラットフォームだと思います。素晴らしいクリエイティブを生み出す錚々たるメンバーが審査委員にも受賞者にも揃っていて、お互いが交わることで新しいものがまた生まれると思うんです。審査委員コミュニティでも熱いものが生まれていますよ。マーケティング・エフェクティブネス部門の審査委員からは、女性広告宣伝部長会のようなコミュニティができました。

久保田:大事なことですよね。仕掛けておかないと、場をつくるというのは簡単なことではない。仲良しクラブというだけではなく、何かを生み出す場になることは大事だと思いますよ。ACCはとくにクリエイティブがあるのが強いですよ。映像だけでなくグラフィックのできる人も入っているから広げたらいい。

山口:刺激があるから、イノベーションが起こりやすい。

藤井:クリエイティブがいれば形に落とすのが早いですもんね。CMだけではなく、未来に提示する事業の形を映像化するような役割も増えています。得意先からいろいろ話を聞いて、聞いた中から想像して「こんな感じかな」と映像にしてみると「いいですね!」と言っていただける。そういった仕事がどんどん増えています。

久保田:見せる力というのは重要ですよ。クリエイターのいる意味はそこです。経営者の言いたいことを「ワンビジュアル」「ワンメッセージ」で見せる力。あれこれ話していると、彼らはすぐに絵やコピーをさっと書いてみせますもんね。やっぱり違いますよ。

藤井:社内で起案されたものも、映像化されていると強い。世の中に対しても第一声として強いんですよね。だからそういうお手伝いができたらと。

山口:受ける方の理解度が違いますし、訴求力が強いんですよね。

次ページ 「縦割り型からトータルデザインの時代に」へ続く

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