「好きを仕事に」は甘いのか? 私がフリーのライターになる覚悟を決めた瞬間

萩原かおり

【前回のコラム】「“会社員失格女子”が、ライター独立1年半で年収1000万円稼ぐまで」こちら

大人の「やりたい」は虐められる

大人になってから何かを「やりたい」と言うと、逆風がびゅうびゅう吹く。逆風は他人の口から巻き起こる。小さい頃は「宇宙飛行士になりたい」「お花やさんになりたい」など何でもござれ、大きけりゃ大きいほどいいと手放しにもてはやされていた夢も、大人になると厳しい審査を受けるようだ。手のひら返しもいいところで、つくづく都合のいい話である。

「好きなことを仕事にしたい」「独立したい」と考える人の多くは不安を抱えているだろう。暗中模索するなか否定され続けたら、相手の意見に流されるかもしれない。しかし、この選択が命運を分ける。自分で選択権を握って初めて、人生が自分のものになる。

私が「ライターとして独立したい」と言っていた頃は“若い女”というステッカーをつけて歩いていたので、年上男性に「そんな甘くないよ」と言われ続け辟易した。「やりたい」と言っただけで「簡単だ」とは言っていないのに。挙句「好きなことを仕事にしている人なんてほとんどいないし、そもそも仕事って楽しいもんじゃないでしょ」とピンボケした言葉でたしなめられる始末だ。若い女が無鉄砲に突撃しようとすると制止したくなるのが男心なのか、はたまた父性なのか。

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