「好きを仕事に」は甘いのか? 私がフリーのライターになる覚悟を決めた瞬間

世の中は優しいと知る

前半で毒づいてばかりいたが、背中を押してくれた人も多い。否定的な言葉はほぼテンプレだったのでろくに覚えていないものの、肯定的な言葉は今でも私の頭上で鮮明なきらめきを放ち、北極星のごとき道しるべになっている。

一番好きなのは、制作会社で仕事を依頼していたイラストレーターさんに「実は独立するんですよ。食べていけますかね?」と聞いた時に言われた言葉だ。彼はあっけらかんとこう言った。
「おお、いいじゃないですか。僕も見切り発車で独立しましたが、世の中って意外と食べていけるようにできているんですよ」
この言葉は私の中で光合成のように作用して、驚きと喜びで満たした。そうだ、私はこういう言葉が欲しかった。

その言葉のとおり、独立してから「世の中は厳しい」と思ったことはない。むしろ優しい。(甘いとは言っていない)
私は目が悪いので、初めて眼鏡をかけて夜空を見上げた時「なんだ、星ってこんなにあったのか」と感動した。独立して世の中に飛び出した時の感覚は、その感覚にとても似ている。勝手に色眼鏡を掛けて世の中を見ていると、光を逃す。
今は星屑のきらめきの上を踏んで歩いているような心地だ。私はこのきらめきを自由と呼んでいる。

こうして私は好きな道を自分で歩く自由を手に入れた。
人と違う道を行くなら、否定を恐れず、自分を信じることだ。
楽しく歩いていれば、かつてその道を否定した人たちも笑ってくれる。

続く(第3回は、駆け出し期の話)

萩原かおり

三度の飯より執筆が好きな1990年生まれ。ライターとして、社長・名人・政治家・マーケター・人事など多種多様な取材記事やコラムを執筆。ほかにも美容・求人広告制作、商品コンセプト・商品名考案などを行う。「コピーライター養成講座 基礎コース」「編集・ライター養成講座 総合コース」修了生。
https://hagitaro1010.wixsite.com/writer

 

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