【前回の記事】「キングジムの「boogie board(ブギーボード)」が望む販促アイデアとは?/第10回販促コンペ」はこちら
今回はカルビーの、子どもたちが小さいサイズのスナック菓子やじゃがりこを買いたくなるような企画を求めるオリエンテーションです(第10回販促コンペの特設サイトはこちら)
「子どもたちが小さいサイズのスナック菓子やじゃがりこを買いたくなる」アイデアを募集します
子どもがドキドキ、ワクワクするような企画を
今回カルビーが募集するのは、「子どもたちが小さいサイズのスナック菓子やじゃがりこを買いたくなるアイデア」です。少子化、消費量の低下、食べにくさなどの理由で、消費者がお菓子から離れつつあることを改善したいと考えています。
ターゲットは、小学生以下の幼い子どもです。ターゲットを幼くすればするほど、実際にお菓子を買われる保護者の方に向けた、「健康に良い点」などを押し出すコミュニケーションがしづらくなる懸念はありますが、今回は「子ども目線」であることを重視します。親などの目線はさておき、とにかく子どもがドキドキ、ワクワクする企画を募集します。
具体的には、店頭施策や、製品自体で楽しく遊びながら食べられるアイデアを募集します。子どもたちの間で話題になり、口コミで広まる企画、パッケージや店頭で実現できる企画が望ましいです。
スナック市場でNo.1 カルビーが抱える課題
カルビーの設立は1949年のことです。1964年に「かっぱえびせん」を発売、ヒットして以来、約10年間隔で新たなカテゴリーを投入し、お菓子市場を広げています。たとえば1975年の「ポテトチップス」、1991年の「フルグラ」、1995年の「じゃがりこ」、2006年の「ジャガビー」などが、それにあたります。最後の「ジャガビー」発売から約10年を経たいま、新しく市場を拡大できる商品がないかと考えている状況です。
スナック菓子市場全体が抱える課題は、子どもから若年層と50歳代以降の層を新たに獲得することです。子どもから若年層は「スナック離れ」が進みつつあるのに加え、少子化の影響で消費者の数自体が減りつつあります。他方、50歳代以降は、子どもがひとり立ちした結果、スナックを食べる機会がなくなる傾向にあります。そしてスナック菓子の購入者の層が、チョコレートやグミにとられつつあるという調査結果も出ています。
こうした現状を受け、非購入者への取り組みとして、「47都道府県のポテトチップス味」を企画しました。
「地元の味を愛すれば、日本がもっと好きになる」として、2017年には各都道府県の県庁などと組み、各都道府県のポテトチップスをつくる企画を実施しました。当社だけで作るのではなく、実際にその地域に住む方と、「地元に根差した味」を生み出すことを目指し、滋賀県は「鮒(ふな)ずし味」、佐賀県の「佐賀のり味」、福島県の「いかにんじん味」などをつくりました。その意外性により、多くのメディアに取り上げていただきました。結果として、「自分たちが住む街のポテトチップスか、食べてみよう」と、各地域のシニア層を中心に、それまで非購入者だった層を誘引することに成功しました。
乳幼児から幼稚園児、小学生に伝えたい カルビーの味
同時に、10歳までの子どもが、スナック菓子を食べる機会を増やしたいとも考えていますが、こちらがなかなかうまくいっていません。
そこで今回は、売り場で子どもにお菓子を手に取ってもらい、ワクワクしながら、子どもたち自ら商品を「買う」「買ってもらう」ことができるよう、テレビやWeb、イベントといったものではなく、売り場での施策を求めています。商品などを使って、ス-パーやカルビーの直営店で実施できる企画や、子ども向けの小さいサイズの商品を用いたものなどを想定しています。
また、「ポテトチップスうすしお」「じゃがりこ」「かっぱえびせん」「サッポロポテト」など、発売から40年、50年経つ商品を活用していただくのも大歓迎です。これらはロングセラーブランドになるため、さらに売り伸ばすことがなかなかむずかしく、この機会に突破できるアイデアが見つかれば、とも考えています。
ちなみに、これまでの子ども向けの施策としては、乳幼児のころからカルビーの味を覚えてもらおうと発売した「1才からのかっぱえびせん」「1才からのサッポロポテト つぶつぶベジタブル」などがあります。味つけを薄くし、油を一切使用せず乳幼児のお母さまに安心してご購入いただける商品で、こちらはご支持を得ています。ところが問題点として、幼稚園や小学校に入ったあたりでカルビーの商品から離れてしまうことがあるので、その改善をしたいと考えています。
商品の味を変えることはあったとしても、商品のもともとのコンセプトを変えることはしません。たとえば「じゃがりこ」のスティック状の形を変えるといったことはNGです。また、キャラクターの変更も厳しいですが、より子どもたちがワクワクするように、デザインを変更することは可能です。ぜひ、子どもに届く企画をお願いしたいと思います。