文化庁は5月24日、各地に点在する文化群をパッケージ化してPRする「日本遺産」の認定書交付式を実施した。2015年度に導入され、これまでに今回の13件を含む67件が認定されているが、新たに北海道や山梨県、広島県など13件を認定した。
認定されたのは、北海道の「カムイと共に生きる上川アイヌ~大雪山のふところに伝承される神々の世界~」、山梨県の「葡萄畑が織りなす風景-山梨県狭東地域-」、広島県の「瀬戸の夕凪が包む 国内随一の近世港町~セピア色の港町に日常が溶け込む鞆の浦~」など。
式には日本遺産大使を務めるギタリストのマーティ・フリードマン、歌舞伎俳優の五代目中村時蔵、和食料理人の村田吉弘、フレンチシェフの三國清三のほか、モデルの冨永愛も出席。日本遺産のひとつである京都府の丹後ちりめんでできた着物姿で登場し、認定された13のストーリーを朗読した。
冨永氏は「世界を舞台に活動してきた中で、日本の文化とスピリットは知るたびにいつも驚かされている。私の立場で、日本遺産を国内外に発信していければ」と話した。
「日本遺産」は、文化財を保護するだけでなく発信することで、地域の観光や産業の活性化につなげる目標で文化庁が2015年度に創設した。東京五輪が開催される2020年度までに約100件の認定を目指している。
秋には富山県で「日本遺産サミット」が開催される予定。
今回認定された文化遺産は以下の通り。
北海道
カムイと共に生きる上川アイヌ~大雪山のふところに伝承される神々の世界~
山形県
山寺が支えた紅花文化
栃木県
地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮~
栃木県
明治貴族が描いた未来~那須野が原開拓浪漫譚~
富山県
宮大工の鑿(のみ)一丁から生まれた木彫刻美術館・井波
山梨県
葡萄畑が織りなす風景-山梨県峡東地域-
長野県、山梨県
星降る中部高地の縄文世界-数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅─
静岡県、神奈川県
旅人たちの足跡残る悠久の石畳道 -箱根八里で辿る遥かな江戸の旅路
和歌山県
「百世の安堵」~津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産~
岡山県
「桃太郎伝説」の生まれたまちおかやま~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語~
広島県
瀬戸の夕凪が包む国内随一の近世港町~セピア色の港町に日常が溶け込む鞆(とも)の浦~
大分県
鬼が仏になった里「くにさき」
宮崎県
古代人のモニュメント -台地に絵を描く南国宮崎の古墳景観-