ピュブリシス、業務改革AI「Marcel」の詳細を初公開

ピュブリシスグループは、本年のカンヌライオンズへの参加を見送った費用を投じて開発を進めてきたAIプラットフォーム「Marcel(マーセル)」の詳細を5月24日に発表した。同グループの業務変革の目玉として注目されていた。

同グループの会長 兼 CEOのアーサー・サドーン氏は、「マーセルはピュブリシスグループを、ホールディングカンパニーからプラットフォームへと移行させる」とコメントする。マーセルによって同グループの社員は誰でも、所属社員8万人からのサポートを受けることができるようになる。

その背景には「もはや社員が会社のために働くという時代ではなく、会社が社員のために何が提供できるかが問われる」という考えがあるという。

システム構築には、同グループの8万人を超える社員、1200以上のグループ企業、200の専門分野と数千のクライアントによる膨大なデータが活用された。それら50億件以上のデータファイルを統合し、AIを活用した音声操作のモバイルアプリケーション(Android・iOS対応)として実現した。
公開されたデモビデオでは、主な機能や操作感が確認できる。


マーセルの具体的な機能は、下記の4点だ

1.プロジェクトに最適な専門人材の検索

プロジェクトごとに必要になるスキルと経験を持った人材をピンポイントで探し出し、そのままミーティングの調整ができる。

例えば、「商品のローンチに詳しい人を探している」とマーセルに話しかけると、グループ内から候補を挙げ、そのほか担当クライアントなど追加情報を伝え、最適な人材を絞り込んでくれる。最終的に見つかった最適な社員とは、アプリ内でやり取りができる。

2.アイデアのクラウドソーシング

企画のアイデアがほしいやインプットが必要な際に、適した人材を見つけ、協力を依頼する。回答は一覧で表示され、そのまま活用が可能。

3.ケーススタディの提示

課題に沿ってグループ内の近しい事例を紹介し、その事例に携わったチームにコンタクトがとれる。さらに事例を知りたい場合は、カンヌライオンズで2001年から2018年の間に受賞した20万を超える作品アーカイブにアクセスできる。

4.クリエイティブブリーフの共有

クライアントのクリエイティブブリーフが社員に共有され、興味のあるプロジェクトへの参加を名のり出ることができる。



開発はグループ内のエージェンシーが主導しており、UXデザインをPublicis.Sapientが、BIをピュブリシスコミュニケーションズのBBHが手がけている。

6月に同グループ内の1000人にベータ版か提供され、2019年1月にグループの8万人の社員に展開される予定だ。

マーセルのプレゼンテーションビデオ
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