「来年の〇周年、何しようか」という会話に、周年担当はどう切り返すべきか?

「とりあえず式典の準備だ」…その目的とは?

さて、冒頭の質問に戻ります。周年担当になったら、いったい、何から始めればよいのでしょうか?

・まずは、周年事業で実施すべきこと、予算と外注先、スケジュールを調べる。
・さしあたって、実行委員会やプロジェクトを組成。
・とりあえず、「おかげさまで〇周年」というキャッチフレーズを掲げる。

ありがちな例ですが、実は、初動としてはいずれもNGです。

社史や式典、ロゴ制作…など、「手段」を入口にしてしまうと、それは何のために作るのかという「目的」やそれを通じて何を得たいのかいう「成果」が曖昧になってしまいがちです。

私自身も、今から20年以上前に、現在の経営コンサルティング会社の母体となる五十鈴株式会社の40周年事業で「社史を編纂せよ」と命じられた時、まさに「どのように社史を作ろうか」という状態でした。

それまで社内報の制作を行っていたものの、社史の編纂プロセスを知らない状態だったため、膨大な時間を要する、非常に大変な仕事になりました。

そして、社史に苦戦する最中に「CIを導入せよ」という次なる指示が来ました。
「どのようにCI導入を進めようか」と、社名とロゴマーク刷新のプロジェクトを立ち上げ、始動。会社パンフレット・ユニフォーム・社有車のデザイン、建屋やネオンサインなどアプリケーションの幅が広く、こちらも大仕事となりました。社史と同様、まったく経験がない中で、様々な専門家の方々の多くの支援と指導の元、日々学習を重ねながら、なんとか完了にこぎつけました。

これらの仕事は、私自身の仕事人生の中でも、億単位の金額が投じられた非常に学び多き価値あるプロジェクトとなりましたが、期間的には3年余りを要しました。

その当時は社史やCI導入を「どのように」完遂するかで必死でしたが、経営のコストパフォーマンスという面から今振り返ると、もっと短期間で効果的に実現できたのだろうな、と思います。どんなプロジェクトにも共通することですが、「何のために(目的)」「何を得たいのか(成果)」を先に明確にした上で進めれば、省けた工程や不要な情報があったし、逆にもっと入れた方が良い要素や押さえるべき意思決定者がハッキリしたはずです。

次ページ 「経営者が見据える未来に、「節目」として強力なバックアップを」へ続く

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