ストリートダンサーと一般人の間に流れる深い川、「グルーヴ問題」について

「アーティストでダンスが上手いのは誰なの?」の質問に答えるなら…

では、よく聞かれる「アイドルでダンスが上手いのは?」「アーティストは?」ですが、これはダンス系の楽曲を使って、ある程度ストリートダンスのニュアンスのダンスを踊る限りにおいては、ノリを表現できる方々、ということになります。

日本ならもちろん別格の三浦大知さんでしょうし、当たり前のようにLDHの方々。

 

 

韓流系の方々も上手いグループが多いというのは、みなさんもご存じかと思います。

こちらは韓国人アーティスト初のビルボード一位を獲得した防弾少年団。ダンス、上手いです!

比較すると分かりやすいので、ノリが無いダンスをご紹介したいところですが、角が立つので割愛します…!

アイドルの歴史を振り返ると、SPEEDのみなさんが衝撃的だったのは、アイドルとして初めて、グルーヴを含んだダンスを若くして体現していたことが何よりの要因だと思います。

地味なリズムトレーニングを一日20分ぐらいやっていれば、個人差はありますが半年から一年ぐらいで最低限のグルーヴは表現できるようになるかと思います。が、逆にいうと日本人のほとんどはある程度訓練しなければできません。

アイドルやアーティストご本人やプロデューサーの皆さまには、同じ振りでもダンスの見栄えに大きく違いが出てきますので、リズムトレーニングは全力でお勧めします。振りを猛練習しているのにいまいち、というのはグルーヴがないことが原因かもしれません。

広告クリエイターの方々は、ダンス企画ありきでタレントさんをキャスティングすることなどもあるかと思いますが、ヒップホップやR&Bの曲でカッコよくしたい、という時などは、「ノリが表現できるか」という視点でタレントさんのバックボーンを調べたりなどすると、失敗がないかと思います。
ちょっとストリートダンスの経験があるだけで全然違いますし、逆にストリート系じゃないダンスだと、いくらキャリアがあってもどうもカッコよく決まらない、ということになりかねません。
いざ撮影現場で「思ったより踊れてない、やばい…」と冷や汗をかいた時には、その場でノリが表現できるようにはならないので、雰囲気は表現しつつ、ポーズ中心の振りにするなど方向転換した方がいいかと思います。

ダンサー側から考えると、タレントさんやアーティストの方々がグルーヴを表現できるケースが少ないことを踏まえれば、ノリはないけどカッコよく、可愛く見える振りが作れる人は重宝されると思いますし、実際話題になる振付はほとんどこのタイプだと思います!

年齢が若くなればなるほどタレントさんもアーティストの方々もダンスレベルの平均値が上がって行く傾向にあるので、グルーヴが溢れ出すような面白ダンスなども生まれてきそうで、楽しみです。

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飯塚浩一郎
飯塚浩一郎

1978年生まれ。コピーライター・クリエイティブディレクターであり、ダンサー・振付家。言葉と身体をクリエイティブの両輪に、広告・映像・舞台・ファッションなど様々な領域を自由に行き来して活動している。慶應義塾大学卒業後、株式会社博報堂を経て、株式会社DAZZLE設立。広告においてはカンヌ広告祭シルバー、アドフェストゴールド、TCC新人賞など受賞。ダンスにおいてはダンスカンパニー「DAZZLE」で海外の芸術祭にも数多く招聘され、2017年のカザフスタンアスタナ万博のジャパンデーでもパフォーマンスを行う。坂東玉三郎演出の舞台「バラーレ」で主演を務めるなど、様々なアーティストとのコラボレーションも。都内病院を舞台に行われた日本で初めての本格的イマーシブシアター公演「Touch the Dark」は即日完売となり、多方面から注目される。

飯塚浩一郎

1978年生まれ。コピーライター・クリエイティブディレクターであり、ダンサー・振付家。言葉と身体をクリエイティブの両輪に、広告・映像・舞台・ファッションなど様々な領域を自由に行き来して活動している。慶應義塾大学卒業後、株式会社博報堂を経て、株式会社DAZZLE設立。広告においてはカンヌ広告祭シルバー、アドフェストゴールド、TCC新人賞など受賞。ダンスにおいてはダンスカンパニー「DAZZLE」で海外の芸術祭にも数多く招聘され、2017年のカザフスタンアスタナ万博のジャパンデーでもパフォーマンスを行う。坂東玉三郎演出の舞台「バラーレ」で主演を務めるなど、様々なアーティストとのコラボレーションも。都内病院を舞台に行われた日本で初めての本格的イマーシブシアター公演「Touch the Dark」は即日完売となり、多方面から注目される。

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