インナーコミュニケーションを軸に、3つの企画を実施
企画は、顧客に向けた期待感の醸成を視野に入れながらも、メインの目的は社員にパーソルの一員としての気持ちの切り替えを促すためのインターナルコミュニケーション施策として設計。提案した呉氏は、「最初のヒアリングで、テンプとインテリジェンスを始めとした、出自の違う会社群が一体になることの難しさをうかがいました。社員はそれぞれ、出身会社の社名に愛着を持っている。それが本当にパーソルという言葉で一つになれるのかということが大きな課題としてあった」と語る。
それに対し大橋氏は、新ブランドの認知拡大にあたり、当初のコミュニケーション戦略にインナーをコアターゲットにしたメディアタイアップ企画は含まれていなかったといい、当企画に踏み切った理由について「当グループの多くの社員が、情報収集のためにNewsPicksを読んでいる。自分が日常から触れているメディアで自社のコミュニケーション施策が行われるということは、社員にとってもすごく大きなことだと感じました」と述べた。
主に実施した企画は3つ。ひとつは、7月1日の社名変更に合わせ、NewsPicks上の特集コンテンツとして、社名変更の5日前から動画を用いたカウントダウンを行うというもの。動画には、旧インテリジェンスと旧テンプスタッフそれぞれの創業者と現経営者の計4名が登場し、社員に向けたメッセージを発信した。
社名変更後には、ブランドタグラインの「はたらいて、笑おう。」をテーマに、さまざまなビジネスリーダーにインタビューした連載記事をNewsPicksに掲載。最後に、カウントダウン用の動画に時間や内容の都合上入れることのできなかった創業者や現経営者からのメッセージを、手紙という形にしてグループのイントラネットから配信した。
コミュニケーション設計を広げる「起点」としての手段
社名変更のカウントダウンに動画を採用した理由としては、「短い時間で、もっとも効率的に発信できるということがひとつありました」と呉氏。続けて、現経営者だけでなく創業者からのメッセージも取り入れたことについて、「社名の変更で、社員の方々は違う会社になってしまうのではという不安を感じている。そこで、名前は変わっても創業時からの思いはつながっているということを伝えたいと考えました」と語った。
それを受けて大橋氏は、「動画はやはり秀逸なコミュニケーション手段。全国の事業所を回って経営者の肉声を届けるのは大変だけれど、動画であれば肉声をきちんと届けられる。創業者のメッセージも、社員にはとても感動的な形で受け止められました」と話した。
インタビュー記事の連載は、対外的に「はたらいて、笑おう。」といえばパーソルだと連想してもらおうと企画。テーマについてそれぞれの話し手に自由に話してもらうことで、パーソルと接点がない人にも価値あるコンテンツをつくろうと考えたという。現在はパーソルのオウンドメディアにも転載し、自社コンテンツのひとつとしても発信している。
イントラネットから配信した手紙は、社員にとって価値あるメッセージを動画の40秒に収めるにはもったいないとして、動画撮影後に企画。手紙を配信するという施策にメディアとしてNewsPicksは使用していないが、「それによって動画の価値がさらに理解されるのであれば、やる意味があると思った」と呉氏。大橋氏も、「こういった社内に配信するだけのものを編集してくださったり、オウンドメディアへの転載などコンテンツの二次利用に柔軟に対応していただけたことで、全体的に厚みのあるコミュニケーション施策になった」と評価した。
3つの企画
1. 創業者、経営陣によるカウントダウン動画→NewsPicksに配信(マス向け)
2. ビジネスリーダーによるインタビュー記事連載→NewsPicksに配信(マス向け)
3. 社員への手紙をパーソルのイントラネットに配信(社員向け)
呉氏はパーソルとの取り組みを総括し、「スマホやNewsPicksは、目的を果たすための起点。コミュニケーションの設計を、そこからもっと広げることも重要」と言う。また、久川氏は、「私たちNewsPicks Brand Designは、企業のみなさんのブランドコミュニケーションをお手伝いする広告チームです。課題をヒアリングしながらどんな発信をするか一緒に考え、ともに走らせていただきます」とセッションを締めくくった。
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