—なぜARTSを受講したのですか?
大学を卒業して広告制作会社に入りました。デザイナーとして広告の企画制作に関わる中で、競合コンペという仕組みや、クライアントとの距離の遠さ、提案に携わる機会がほとんどないことへの疑問があり、与えられた課題に応えるだけの仕事に問題意識を持つようになりました。
自分のデザインや企画に対しても、「本当にいいものを制作できているのか」と不安が募った社会人6年目の時、ブレーンに掲載されていたARTSの卒業制作課題を見つけました。やはり自分で問題を見つけて解決する働き方をしていきたい。そのためにも、まずこの講座で自分がどこまで通用するのか試してみたいと思い、受講を決めました。
—実際に講座に通ってみてどうでしたか?
トップクラスの講師陣から話を聞けることやフィードバックがもらえることはもちろんですが、さまざまな会社から集まる意欲的な受講生から一番刺激を受けたと思います。すでに広告会社のADなのにスキルを磨こうと来ている人がいたり、コピーライターなのにデザインも上手な人がいたのには正直焦りました。
卒業制作は当初から希望していた水野学クラスに入ったのですが、ARTSに通う前から「この講座で1番にならなければ、この先業界で生き残っていけない」と追い込んで臨みました。その結果ありがたいことに金賞をいただき、水野さんに「デザイン能力や問題解決能力はもちろん、問題を発見する能力がある」と評価をしていただきました。
その言葉が大きなきっかけとなり、与えられた課題にただ応えるのではなく、根本的な問題を探しデザインで解決する方法を提案することで、人に喜んでいただけるような仕事がしたいという思いが強くなりました。
—講座で学んだことで現在の仕事に生かせたことは?
デザインで問題発見と解決をしたいという思いが日増しに大きくなり、現在所属するグッドデザインカンパニーの採用に応募し、受講後に入社しました。現在の仕事では「問題を発見すること」が常に求められるので、「本当にこれでいいのか」ということを考えるように意識しています。
例えば「女性がターゲットなので女性らしいものを」というご依頼だったコンタクトレンズのパッケージのお仕事では、そのターゲット設定に問題が潜んでいると気づきました。長く広く売れるためには「コンタクトレンズらしさ」が一番必要なのではという考えに基づき、潤いと清潔感、信頼感のあるデザインを目指しました。
どの仕事も、いいデザインを作ることは大前提で、しっかりと結果につながることを目標にしています。
—ARTSにこれから通いたいと考えている人へのメッセージをお願いします。
今の環境や自分の実力に課題を感じている人は、ARTSを自分の課題解決の場と捉え、挑戦してみてください。私もARTSに通う中で自分を変えることができましたし、同じように突破口を開いた仲間を何人も見ました。これからのアートディレクターには、問題を自ら発見しデザインで解決する力が必要だと強く思うので、ARTSでその一連の流れを経験してみてほしいです。デザインという仕事に改めて向き合い、本当にやるべきことが何かを考えるいい機会になると思います。
加藤圭織(かとう・かおり)
グッドデザインカンパニー アートディレクター
1986年神奈川県生まれ、茨城県育ち。2009年東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科卒業。MAQ 勤務後、2015年good design company入社。「久原本家」「中川政七商店」「薫玉堂」などのグラフィックデザインを手がける。Tokyo Midtown Award 2017 デザインコンペにてグランプリ受賞。
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