出会いは『広告批評』の「CMプランナー講座」
中村:そういうときCMプランナーはどういう目線で、「あ、これは初音さんかもしれない」と、タレントのアサインを決めるんですか?
澤本:監督が高田雅博さんだったから、高田さんが初音さんを使いたがっていたし、役柄としても演技が必要で。あのとき、初音さんは女子高生になってたよね。
初音:そうですね。過去のシーンで反抗期の娘を。
権八:当時、もう女子高生ではなかった?
初音:違いました。スカートが短くて、ちょっと恥ずかしかったですね。
権八:「お父さんのチャーハンが食べたい」、みなさん検索してみてください。
澤本:「家族の絆シリーズ」という東京ガスのシリーズがあって、その「お父さんのチャーハン」と調べると出てくると思う。
権八:お父さんのチャーハンというと、実際にお父さんになった我々は今やそれだけでグッときそうで。
初音:泣いちゃいますか?
権八:見たら泣いちゃう。僕はあれが好きでしたね。「おばあちゃんの煮魚が汚い」という。
澤本:そんなタイトルはない(笑)。
初音:あー、茶色い?
権八:「お父さんのチャーハンが食べたい」、「おばあちゃんの煮魚が茶色い」(笑)。そういうのありましたよね?
澤本:おばあさんに対して反抗する孫ね。
権八:切ない、あれもいいCMだったな。
澤本:あれは高田さんが偉いんだよ。でも、僕が最初に初音さんに会ったのは仕事ではなく、「広告学校」だったの。
初音:『広告批評』が当時やっていた講座があって、そのプランナー講座に通っていて。そのときの先生が澤本さん。だから先生です。
中村:初音さんのプロフィールを見ると16歳でCMデビューしているから、デビューしているにもかかわらず「CMプランナー、いいかも」と広告学校に入ったんですか?
初音:そうですね。最初はCMの仕事が多かったので、面白いなと思って。厳しい監督も多かったので、15秒、30秒の世界観でどうやってリアリティを作るんだろうと興味を持っていました。『広告批評』を読んでいて、いつも講座の募集があったので、いつか通いたいと思っていて応募しました。
中村:応募したら、澤本オブザイヤー大先生が。
初音:大先生で。宿題も毎回あったので、それもちゃんと出して。
澤本:あの頃、結構生徒が多かったんだよ。50人ぐらいいたんじゃないかな。その課題を見て、その中で毎週何人かに前で発表してもらうの。特徴的だった回答をした人を。そのとき当てていた記憶があまりなかったけど、後で聞いたら2回当ててたって。
初音:4回中、2回です。
中村:5割じゃないですか。
澤本:彼女1人というわけじゃなく、何人か前に出てもらって。
中村:ああいう広告学校で「発表してください」と言われるのって結構な名誉で、それが5割ってなかなかないんじゃないですか。
権八:課題の回答がよかったんじゃないですか。コンテを出したんですか?