「ブランドストーリー」ではなく、「物語ブランド」が重要な理由

ミラー氏のストーリーブランド7つのフレームワーク

ミラー氏は「ストーリーブランド」の構築方法をStory Brand Seven(SB7)フレームワークとして紹介しています。それは以下の7つの項目から構成されます。

•主役(A Character)が問題に直面(Has a Problem)
•案内役に出会う(And Meets a Guide)
•案内役は計画を持っている(Who Gives Theme a Plan)
•案内役は主役を行動に駆り立てる(And Call Them to Action)
•案内役は主役を失敗させないように援助する(That Help Them Avoid Failure)
•主役は成功のうちに物語は終わる(And Ends in a Success)

彼のフレームワークのポイントは、まず顧客が主役であり、ブランドは案内役(Guide)であるということです。また、案内役は抽象的な価値やビジョンを与えるのではなく、問題(Problem)に対処すべき計画(Plan)そして、その計画を実行するために主役がしなければならない行動(Call to Action)、避けなければならない失敗(Failure to be avoided)を示すことで最終的な成功(Success)に導くことがきます。

ミラー氏の方法が興味深いのは、顧客を中心に据えたうえでの自社ブランドの役割を、物語というフレームに簡潔にまとめている点です。いうなれば、彼が言うストーリーとは、顧客が成功へと到達するカスタマージャーニーでありながら、彼らを導くための案内役としてブランドが何を語り掛け、何を行動させるか、というマーケティングプロセスを組み合わせている点です。

実際に本を通して彼が一貫して伝えるのは、なるべくマーケティング上のノイズ(雑音)を取り除くことだという主張です。実際に彼のマーケティングウェブサイト名がそうであるようにclarifyyourmessage.com (あなたのメッセージを明確に)、これらはすべて顧客にとって明確な提案につながるように考えられていることです。

次ページ 「ストーリーとは顧客の求める価値を形にするもの」へ続く

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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