カンヌライオンズ4日目、イノベーション・プロダクトデザインはコロンビアがグランプリ

公開日2018.6.22

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【前回】「カンヌライオンズ、新設部門でアップル、マイクロソフトが受賞」はこちら

カンヌライオンズ4日目となる21日、5つの部門の入賞作品が発表された。

クリエイティブデータ部門グランプリを受賞したのは、THE TIMES/NEWS UK & IRELAND「FKUNSILENCED」。1963年にダラスで銃弾を受けて倒れたJ・F・ケネディ。当日話す予定だった演説を、入手可能なケネディのスピーチを収集し、AIを使って再現した。制作はアクセンチュア・インタラクティブの傘下のデジタルエージェンシーロスコ。

日本からは、CROSSFAITHのミュージックビデオ「MAKE IT METAL」が、ブロンズに入賞した。PCの内蔵カメラに向かって“ヘッドバンギングしつづけることで映像・音源が再生される”という仕組みになっている。

ダイレクト部門グランプリを受賞したのは、Palau Legacy Project「Palau Pledge」。パラオに入国するすべての旅行者に、世界初の環境保護誓約である「Palau Pledge（パラオ誓約）」への署名を義務付ける取り組み。旅行者はパスポートにスタンプが押されて、そこに自ら署名する。

メディア部門は審査員の満場一致で選ばれたという、英国スーパーマーケットTESCOのキャンペーン「TESCO’S FOOD LOVE STORIES」。生活者が“愛する人のためにつくりたい料理”にまつわるストーリーが、紙媒体からデジタルまで、さまざまなメディアを使ってエモーショナルに伝えられた。

PR部門グランプリは、デザイン部門のグランプリに続き、PLASTIC OCEANS/LADBIBLの「TRASH ISLES」が受賞した。

ソーシャル＆インフルエンサー部門は今年新設され、審査委員長をFacebookのバイスプレジデントで、チーフクリエイティブオフィサーであるマーク・ダーシーが務めた。冬季オリンピックに向けて制作されたNIKE「NOTHING BEATS A LONDONER」。著名なアスリートほか、ストリートにいる子どもやロンドン市長まで、ロンドン中から出演者をキャスティングし、ロンドンの街中で撮影された映像だ。

プロダクトデザイン部門グランプリに選ばれたのは、KINGO。コロンビアでオフグリッドコミュニティのための分散型クリーンエネルギーサービスだ。このプロジェクトでは、太陽電池パネルとバッテリーを人々に無償で提供。それによって、人々は町のお店で必要なときに電気を買うことができる。

イノベーション部門グランプリは、再びコロンビア。同国の通信技術省のバイブ・デジタル・プログラム「MY LINE」が選ばれた。多くの人がまだインターネットやスマートフォンにアクセスできないコロンビア。グーグルの音声アシスタントを使い、人々が電話を使ってオンラインサービスにアクセスできるようにした。

また日本からは、AIGの「PRIDE JERSEY」がシルバーを受賞した。これは伸ばすとレインボーカラーが現れる素材のジャージで、ラグビー男子ニュージーランド代表チームのオールブラックスと、同女子代表チームのブラックファーンズがこれを着て、差別との闘いを表明した。

クリエイティブデータ部門

グランプリ
THE TIMES/NEWS UK & IRELAND／THE TIMES/NEWS UK & IRELAND「FKUNSILENCED」（ROTHCO | ACCENTURE INTERACTIVE , Dublin＋SCREEN SCENE, Dublin）

日本の受賞作品

ブロンズ
SONY MUSIC LABELS （JAPAN） INC.／CROSSFAITH （MUSIC ARTISTS）「MAKE IT METAL」（OGILVY JAPAN, Tokyo）

ダイレクト部門

Palau Legacy Project「Palau Pledge」（HOST＋HAVAS）

メディア部門

TESCO STORES／TESCO「TESCO’S FOOD LOVE STORIES」（MEDIACOM, London ＋BBH LONDON＋ITV CREATIVE, London＋ GLOBAL RADIO, London ＋FACEBOOK, London / JCDECAUX, London）