「獺祭」に“ゆらぎ”をつくる 旭酒造がデザインアワードを始める理由

従来の日本酒の概念、慣習にとらわれない取り組みで現在、世界20カ国以上で愛されるブランドに成長を遂げた旭酒造の「獺祭」。世界に向けて新しいお酒の楽しみ方を提唱してきた「獺祭」が、次なるイノベーションを目指し、志を持った若手クリエイターとのコラボレーション企画を始動する。そのプロジェクトとは 「DASSAI DESIGN AWARD 2018」だ。

記者発表会に登壇した旭酒造の桜井会長。

本アワードでは「純米大吟醸二割三分 獺祭」の化粧箱デザインが募集され、最高賞に選ばれた作品には賞金100万円が贈られる。さらに5万本が同デザインで制作され、国内外で実際に販売される予定だ。応募者のプロ・アマは問わず、募集期間は8月17日までとなっている。

2018年6月28日、本アワードの開催に際して、旭酒造の桜井博志会長が登壇しての記者発表会、ならびに桜井会長が応募者に対して、課題意図やポイントを直接説明する、オリエンテーションが開催された。

発表会に登壇した桜井会長はアワードを企画した狙いを「自分にとって『獺祭』は人生そのもの。それだけに、ネーミングを含めたデザインに自分の思いが込められている。しかし、いつまでもこのままだと、お客さまからいつもと変わらない『獺祭』だと思われてしまいかねない。お客さまも、清く正しくだけでは生きてはいけず、人にはいろいろなゆらぎがあるもの。そういった新しいゆらぎを『獺祭』に取り入れていきたいと考えたことがデザインアワードを企画した理由」と説明した。

これまでの日本酒の概念にとらわれない挑戦を続けてきた「獺祭」のデザインアワードは、日本酒の世界に留まらない各界のクリエイターが参加をしている。審査員は5名で、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」をはじめ様々なブランドを展開するスマイルズの代表取締役社長 遠山正道さん、世界を渡り歩き「SUGALABO」を立ち上げたシェフの須賀洋介さん、女優としてデビューし短編映画やアート制作などマルチに活躍する蜷川有紀さん、プロダクトやサービスのコンセプトデザインを手がけるWater Design 代表取締役の坂井直樹さん、に桜井会長を加えた5名が務める。

応募作品に期待することを聞かれた桜井会長は、「自分自身が想像もつかないような作品を期待している」と回答。さらに「『獺祭』は一時期、品切れ状態が続いたが、私たちは『獺祭』を幻の酒にしたくはなかった。美味しいと思っていただけるから、次も購入していただける。まずは、お客さまに楽しんでいただくことが大切。そこで、お客さまに潤沢に楽しんでいただけるよう、生産体制を整えてきたが、今度は酒売り場を見たとき、“いつもと変わらない”“つまらない”印象を受けた。今、『獺祭』に必要なのはゆらぎであり、新しい変化。今回のデザインアワードで、そんな作品の応募があることを期待している」と話した。

本アワードは、宣伝会議が協力・協賛をしている。応募要項は、アワードの特設サイトに掲載をされている。

アワードの特設サイト:DASSAI DESIGN AWARD2018

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