最新事例の紹介とともにコンテンツマーケティングを指南
多種多様なデジタルメディアやSNSが登場する現在、それぞれのメディアの特徴を理解し、その特徴を生かす形でコミュニケーションを実践していく必要がある。ブランディングの一手法としてコンテンツマーケティングが注目されている中、アンティルはコンテンツをつくり、発信して終わりではなく、消費者の反応を見ながら最適な形に変化させていく「クワトロメディア」を活用したブランディングの概念に基づくコミュニケーションを推奨している。
第1部では、アンティルの宮崎哲氏が登壇。宮崎氏は、消費者を取り巻く情報流通の変遷に触れつつ、「消費者が自由に情報を受発信できる現在において、企業が発信した情報は意図通り伝わりにくくなっている」と解説。情報流通の構造や消費者とメディアの接点が複雑化した現在、これまでのようなコンテンツ開発とメディアミックスによる発信の検討だけでは不十分と主張した。
「(こうした環境下では)伝えたいコアの部分は変えず、クワトロメディアの特徴を活かした形でコンテンツを変化させ消費者に発信。その反応を見ながらさらにコンテンツを変化させ、メディア特性に合わせて発信していく。そのサイクルをスピーディーに回していくことが重要」と事例を交えて説明。
クワトロメディアを介したコンテンツの発信・変化のPDCAサイクルを繰り返すことにより、消費者に届く情報に昇華できるとし、同社ではこのプロセスにおいてPRの双方向的コミュニケーションの考え方が欠かせないとしている。
第2部ではニューステクノロジー 代表の三浦純揮氏が、Webニュースを通じた情報の広め方の変化について言及。
生活者がWebニュースに接触するパターンは、2008年時点では1600通り程というが、「スマートフォンが普及し、メディアの数が増えたことで4万3000通り以上に増加している。誰にコンテンツが届いたかわかりづらくなった時代」と三浦氏。その後SEO対策記事の制作やコンテンツ接触者の属性分析を行った事例を交えつつ、狙ったターゲットにコンテンツを届けるための工夫と効果測定の必要性を伝えた。
大阪ではユーキャン 教育事業部ウェブマーケティング部次長の鳥羽渉氏が登壇。ユーキャンは、受講希望者が増える年始はテレビCMや新聞広告での露出に注力している。一方で、年中受講生を受け入れているため、それ以外の期間もオウンドメディア「マナトピ」の運営を行い、消費者と接点を持ち続けている。「『マナトピ』の各コンテンツには、①認知・集客、②学習意欲醸成、③商品購入意欲喚起のうちいずれかの目的を持たせて、どのフェーズの消費者にも対応するコンテンツを用意している」と解説した。
また東京では、エイチ・アイ・エスコーポレートコミュニケーションチーム チームリーダーの丹下 陽一郎氏が講演。旅好き女子を「タビジョ」と名付け、お客さまと一緒に旅行を盛り上げていく同社の取り組みについて解説した。タビジョのコミュニティを拡大すると同時に、タビジョに旅行のレポートや、実際にツアーのプロデュースをしてもらうなど、お客さまとの共創の関係を構築している。
両会場合わせ総勢100名近くのマーケターが参加し、PRコミュニケーションについて学びを深めるセミナーとなった。
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