澤本さんがグランジに広告制作を依頼した理由
澤本:僕がそのときにACC賞というテレビCMやラジオCMのCMを表彰するための審査員をやっていて、「リスナーに近い出る立場の人」として、遠山さんに審査員として出てとお願いしたんです。
遠山:TOKYO FMで「SCHOOL OF LOCK!」をやらせてもらっているので。
権八:生意気だなぁ。
澤本:一緒に審査してるときに、「これ俺でも書けるんじゃないか」ということを・・・。
遠山:だから言い方! 俺、何回そこ訂正したと思います?
五明:ふんぞり返って。
権八:机の上に足載せてたもんな。タバコ吸いながら。
遠山:タバコ吸わないから! 違う違う。澤本さんに「どう?」と聞かれて、「僕らもコント書くので、もしかしたらさっきのセリフ、1個食い気味でいったら、また面白さが変わるんじゃないかなとか思いながら聞かせてもらってます」と言ったんです。
権八:あれ、だいぶ言い方アレですね。「俺でもできんじゃね?」みたいな。
遠山:違う違う、まーったくない。賞獲ってないですから。
権八:でもね、遠山くんもCM書いて、実際に何本か通ったよね。面白かったよ。
澤本:審査会があった後、コピーライターじゃない人にコピー書いてもらうのアリだなと。とすると芸人さんがいいと思ったのね。それで僕が東京ガスを担当していて、年間に何回かCMをつくるチャンスがあって、ラジオCMをつくろうと言ったので、ぜひ芸人さんにつくってほしい、ひいては遠山さんにと言ったら、遠山さんが五明さんを連れてきてくれたの。
遠山:五明もネタ書くし、大喜利も得意だったから誘ったんです。
五明:電話きて、「なんかCMつくる話あるんだけど、おまえやる?」って言われて。
遠山:そんな言い方してないし! なんで偉そうに仕立て上げるの?
五明:クチャクチャガム噛みながら。それで「やらせていただきます」って。
権八:実際に原稿書いて、プレゼンして。
澤本:ビックリしたわけ。うまいのよ。遠山さんはちょっと乱暴なのね。
遠山:いい意味で、ですよね?
澤本:いい意味で乱暴。五明さんはものすごい上手なの。達人みたいな。話も全部面白くて、ちゃんと商品に落ちてるのよ。すごいなと思って、なんでそんなにすぐ書けるのかなと思ったら、「ネタ帳をずっとつくっていて、ボツのネタと商品が近いものをもってきてつくる」と言っていて。本当によくできてたんだよ。
権八:面白かったですよね。この本でも書かれてましたけど、CMもやってきたいなと。もちろん芸人なんだけど、賞もいただいたし、広告つくっていきたいと。
五明:やっていきたいですね。
権八:僕らもコントを見ていて、ここもっとこうしたら面白いと思っちゃうこともあって、たぶん同じだと思うんですよ。これだったら似てるというか、やっていけるんじゃないか、ということを。
五明:そんなことは思ってないですよ(笑)。でも、ラジオCMは面白かったので、芸人だけどチャンスがあったらやれないかなと思って、どうやったら広告はつくれるんだろう?とプロの方々に聞いた本が『全米は、泣かない。』です。
遠山:本の中で、みなさんから五明に宿題出されたじゃないですか。各コピーライターのみなさんから課題が与えられて、澤本さんは?