ダンサーを「ダンスアーティスト」に変えた!?動画サービスの変遷

Instagramは素人でもスターに「なってしまう」サービス

そして、SNSにはInstagramの時代がやってきました。

ご存知のこととは思いますが、FacebookやTwitterよりもより「ビジュアルコミュニケーション」に適したサービスで、映像配信(中継も!)にも強みを持っているので、ダンサーもより力を発揮できる環境になりました。

自身のダンスをより簡単に共有できるようになったというのはもちろんですが、ダンサーはファッションやビジュアルのインパクトが強い人が多いので、Instagramを巧みに操りファンをどんどん増やしています。

世代もあるかと思いますが、Instagramについて私も驚いたことがありました。

先日大学生たちに振付する機会があったのですが、ビジュアルがいい女子大生ダンサーに一万人を超えるフォロワーがいることが珍しくないことです。つまり、ファンがたくさんいるということですね。その女子大生たちはプロフェッショナルダンサーとして戦略的に運用しているわけではなく、自分が素敵に見えたい、という範囲でライフスタイルの断片をアップしているわけですが、そこにかなり需要があるということです。

YouTubeは素人がスターになる時代を作ったサービスだと思うのですが、Instagramは素人がスターに「なってしまう」時代にしたサービスなのではないかと思います。

InstagramはYouTubeのような全体におすすめしていくトップページが前面に立っているわけではないので、より発信者とフォロワーが直接的につながっている感覚があります。一般的に有名ではないけれどとてつもないファンを持っている個人がたくさんいる、ということです。

例えば、ダンサーのRIEHATAさんはもちろんダンス業界では有名ですが、一般的にほとんど知られていないにも関わらず、25万人以上のフォロワーが。

彼女はInstagramでクリスブラウンと交流して、PVなどにも出演するようになったという、Instagramでのダンサーの活躍を象徴する存在です。

(冒頭日本語をしゃべっているのがRIEHATAさん)

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飯塚浩一郎
飯塚浩一郎

1978年生まれ。コピーライター・クリエイティブディレクターであり、ダンサー・振付家。言葉と身体をクリエイティブの両輪に、広告・映像・舞台・ファッションなど様々な領域を自由に行き来して活動している。慶應義塾大学卒業後、株式会社博報堂を経て、株式会社DAZZLE設立。広告においてはカンヌ広告祭シルバー、アドフェストゴールド、TCC新人賞など受賞。ダンスにおいてはダンスカンパニー「DAZZLE」で海外の芸術祭にも数多く招聘され、2017年のカザフスタンアスタナ万博のジャパンデーでもパフォーマンスを行う。坂東玉三郎演出の舞台「バラーレ」で主演を務めるなど、様々なアーティストとのコラボレーションも。都内病院を舞台に行われた日本で初めての本格的イマーシブシアター公演「Touch the Dark」は即日完売となり、多方面から注目される。

飯塚浩一郎

1978年生まれ。コピーライター・クリエイティブディレクターであり、ダンサー・振付家。言葉と身体をクリエイティブの両輪に、広告・映像・舞台・ファッションなど様々な領域を自由に行き来して活動している。慶應義塾大学卒業後、株式会社博報堂を経て、株式会社DAZZLE設立。広告においてはカンヌ広告祭シルバー、アドフェストゴールド、TCC新人賞など受賞。ダンスにおいてはダンスカンパニー「DAZZLE」で海外の芸術祭にも数多く招聘され、2017年のカザフスタンアスタナ万博のジャパンデーでもパフォーマンスを行う。坂東玉三郎演出の舞台「バラーレ」で主演を務めるなど、様々なアーティストとのコラボレーションも。都内病院を舞台に行われた日本で初めての本格的イマーシブシアター公演「Touch the Dark」は即日完売となり、多方面から注目される。

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