カヤックが提唱する「鎌倉資本主義」とは?柳澤大輔さんインタビュー

鎌倉で暮らす人、働く人のための「保育園」「社員食堂」をオープン

まちの保育園 鎌倉

まちの社員食堂

—新しくオープンした「まちの保育園」や「まちの社員食堂」は、その中でどう位置づけられるのですか。

鎌倉の街で暮らす人、働く人が幸せになるには、「経済資本」「環境資本」「社会資本」の3つの指標を上げていけばいいとわかったので、そのための、“まちのシーズ”をいろんな場所に作っています。「まちの保育園」や「まちの社員食堂」もその1つです。企業が栄えるような経済活動、地域の価値が上がるような環境資本、人とのつながりを増やす社会資本。その3つが入っているものを街の中に作り、企業が応援して行けば、結果として3つの指標が上がって行くはずという考え方です。

「まちの保育園」は、鎌倉で働く人、暮らす人のための保育園です。保育園ができることで、鎌倉で子育てしながら働きやすくなることはもちろん、親同士の子育てコミュニティができて、人のつながりを増やすことにもつながります。保育園の2階はシェアオフィスのようになっていて、親が上で働けるようもなっています。環境資本の視点からもいい効果があります。そういう、実現したい要素をエッセンスがたくさん入っている保育園です。

「まちの社員食堂」は、鎌倉にオフィスを持つ企業と鎌倉市など行政が垣根を超え、資金を出し合って開いた社員食堂です。メニューは、地域のレストランが日替わりで担当しています。企業や行政が組織の垣根を超えて、食事をしながら交流することで、社会資本もできていく。食事は地元のレストランが提供するだけでなく、地元の農家の食材などを使っています。こうした地産地消の考え方で、環境資本の考え方から見てもいい。

保育園と社員食堂の次は、「まちの人事部」。鎌倉の会社の人事部が集まって、互いに情報交換をしたり、合同で入社式や研修をしたり。鎌倉には大企業のOBがたくさん住んでいますから、彼らをデータベース化して鎌倉の企業とマッチングするといった、街全体の人事部のような活動もしていきます。「まちの映画館」も作ります。街全体を映画館にするというアイデアで、カフェやコミュニティスペースで映画を上映して、見終わった後にみんなで語り合うというものです。「今日はどこで映画をやっているかな」みたいな会話が日常になっていく。そんな感じで、第6弾くらいまで決まっています。

続きは本誌にて

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