Hazuki Companyはハズキルーペの新しいテレビCM「渡辺謙さん・菊川怜さん」篇を4月から公開している。世界で活躍する俳優 渡辺謙さんと女優 菊川怜さんが出演し、観衆に向けてハズキルーペをプレゼンテーションする。
「本当に世の中の文字は、小さすぎて読めない」という渡辺さんの怒号から始まり、「長時間かけても目がラク!」「さすがMADE IN JAPAN!」などのセリフで機能を次々にプレゼン。さらに菊川さんが商品の上に座ることで強度を示すシーンも見どころの60秒CMだ。
商品を徹底的に訴求しているにもかかわらず、同時にエンターテインメントとしても成立し、一度見たら忘れないインパクトがある。このCMの裏側を、プリヴェ企業再生グループ/Hazuki Company 代表取締役会長の松村謙三さんに聞いた。
セールスコピーとして機能するセリフ
同社ではこれまでも石坂浩二さん、舘ひろしさんら大物俳優を起用したCMを展開してきたが、「今回のCMはこれまでとは明確に違う」と松村さんは言う。
「ハズキルーペは発売当初からCMを展開していますが、イメージ訴求に寄りすぎているのではないかと懸念していました。そこで今回は、商品の売りにつながることを念頭に、セールスコピーとして機能するセリフをタレントさんが語るものにしたんです」。
渡辺さんに出演依頼をしたところ、渡辺さん本人から企画も考えたいと申し出があり、「世の中の小さすぎる文字への怒り」をテーマにした今回の企画の大枠が決定した。
そのほか企画の詳細からCMのストーリー、カメラワーク、スタイリングまで松村さんがクリエイティブディレクターとして総監督を務めた。「渡辺さんの『怒り』というテーマをもとに、シナリオを書きあげていきました。同時に、いち視聴者の目線を忘れず、『大きく見える』『日本製』という2つのポイントが伝わるセリフを考えています」。
一方映像は60秒1パターンの展開になるため、何度見ても飽きられない演出を心がけた。海外の公開プレゼンテーションの世界観をベースに、CGでプレゼン会場を作り込み、そこにエキストラ約200人を動員している。
今回の展開への反響は大きく、5月の同社Webサイトへのアクセスは30万件を超えているという。
試行錯誤しながら作り上げた独自のCM展開理論
制作で松村さんが特に意識したことは、「出演者がナレーションではなく、自らの言葉で商品を語る」ことだ。
「著名人が直接商品名を口にすることの意味は大きいと考えています。以前、マツコ・デラックスさんがテレビ番組で『ハズキルーペ』について話しているのを聞いたことがあるのですが、すごくインパクトがありました。それはCMでも同じで、ハリウッドでも活躍する渡辺謙さんが商品名やセールスコピーを語ってくれることが、商品のメジャー感につながっていきます」と松村さん。
結果として、CM総合研究所が発表する「2018年5月度 業類別CM好感度No.1銘柄」の衣料カテゴリーでCM好感度がトップになった。
また、同社ではCMにフリーダイヤルを入れることで出稿番組における反響を確認し、次の番組選定に生かすなど独自のCM展開理論を確立している。
最後に松村さんは、「CMはそもそも商品を売るためのものなので、今回はその原点に立ち返っただけです。ただ、一方的な売りの意識が強すぎると視聴者にとって退屈なものになってしまうので、エンターテインメント性の高い映像に仕上げました。」と語った。
現在は秋からのさらなる大型展開に向けて、松村さんが企画から指揮を執りながら進めているという。
Hazuki Company/ハズキルーペ「渡辺謙さん・菊川怜さん」篇は、『ブレーン』8月号のCREATIVE NAVIに掲載されています。
スタッフリスト
- ○企画制作/
- 電通+電通東日本+東北新社
- ○ECD/
- 松村謙三
- ○CD/
- 古山健志
- ○企画/
- 住友麻江
- ○企画+C/
- 竹内希光
- ○AD/
- 鈴木利和
- ○PR/
- 丹生一朋、久保退三、中野真
- ○PM/
- 湯浅志保子、原田成峰
- ○演出+撮影/
- 武藤眞志
- ○撮影/
- 奥口睦
- ○照明/
- 加藤正夫
- ○DIT/
- 大山 泰斗
- ○美術/
- 山村一智
- ○SFX/
- 谷口卓
- ○VFX/
- 佐藤隆之
- ○ST/
- 馬場順子(渡辺)、石野美穂(菊川)
- ○HM/
- 筒井智美(渡辺)、野口範子(菊川)
- ○CAS/
- コモンズ2
- ○音楽PR/
- 平賀りつこ
- ○SE+ミキサー+録音/
- 芳賀洋介
- ○編集/
- 小林文朋、佐藤友哉
- ○カラリスト/
- 岩永道紀
- ○NA/
- 増田精一郎
- ○出演/
- 渡辺謙、菊川怜