雑誌『ネオヒルズ・ジャパン』の廃刊騒動は「仕掛け」だった?
箕輪:そういう人だったんです。それ自体が楽しくて本を出したいと思ったから、社長を死ぬほど説得して、「お前がそこまで言うのならいいよ」となって。でも編集を誰もやりたがらなかったし、編プロに投げるのはダメと言われて、結局、「揉める案件な気がするから箕輪がやれ」と言われたんです。だから雑誌『ネオヒルズ・ジャパン』のクレジットは、総合プロデューサー:箕輪、広告:箕輪と、箕輪ばっかりです。
一同:(笑)
権八:一人で全部やったんだ。
箕輪:編集もやったことなかったけどやることになって。金はあるから表紙はレスリー・キーに撮ってほしくて。そしたら会社の人たちから、「恥ずかしいからレスリーの会社に企画書を出さないでくれ」と言われて。でも、普通に電話したらいいですよとなって。
それから二転三転して、前日にレスリーが「絶対撮りたくない」と言いだしたんです。
澤本:前日に(笑)。
箕輪:レスリーは、ユーミンなど本当に好きな対象は借金してでも写真展をやったりするらしいんですよ。その人のことを好きになってから撮ると。でもこの件は、前日に「与沢翼」で検索してみたら、「成金」って書いてあるから、「何億円もらってもやりたくないと。僕のキャリアをこんなところで潰すのか。なんでこんな仕事を受けたんだ」と社長と喧嘩になっちゃって。そういう僕も、なんで受けたんだろう?と思ってる側だったんですけど。
一同:(笑)
箕輪:とはいえさすがに前日は、と。前の打合せでレスリーが飛行機に乗り遅れて海外から帰ってこれなかったから、前日にそういう騒動になっちゃって。だからとりあえず現場に来てもらって、僕が説得して無理だったら、もう事務所の他の人でいいですと言ったんです。でもレスリーはいい人だから。写真撮って逮捕されたりしてたじゃないですか。そのぐらい善悪じゃなくて、写真が好きでしょと。だから、「与沢も善悪じゃなくて、お金が好きなんだ」と説得して。
一同:(笑)
箕輪:「アスリートが1秒を縮めるように、与沢は1万円を積み上げてるだけなんだ」と。そう言ったら、「わかった。怪しいけど時代を切り取るということでやろう」
となって、そこからグルーヴしていって、それこそ筧美和子さんも出てくれて。
全てが「なんで受けちゃったんだろう?」という連鎖が起きたんです。僕が本当に未経験で常識を知らなかったからだと思うんですけど、ミイラ取りがミイラになるじゃないですけど、最初はみんなバカにしてたのが、どんどん自分事になって、『ネオヒルズ・ジャパン』は面白いとなって。
それで、発売日に与沢が書類送検されて。
一同:(笑)
箕輪:ネットニュースで「与沢翼責任編集長の雑誌、創刊日に逮捕、廃刊」って。
一同:(笑)
箕輪:これがバズかと思いましたね。アマゾンランキング1位になって、すぐ完売して。僕は社長から「絶対何もないよな?」と念を押されて出したから、怖くて会社に行けなかったんですよ。
中村:ある意味、当日でよかったですね。前日だったら回収だから。
箕輪:そう。それでずっと会社の近くの漫画喫茶行ってネット見ていて、どんどん事が大きくなって、これはやばいと。電話も鳴りやまなかったけど、上司から「社長から聞かれる前にお前から行かないと本当に回収になるから、仕掛けたと言え」と言われて。
中村:仕掛けたって(笑)。
箕輪:いや、さすがに「書類送検を仕掛けた」って通じないだろと思ったけど、もうどうでもいいぐらいの気持ちで、「ネットで仕掛けてるんです。だからニュースが出ても想定の範囲内なので心配しないでください」と言ったら、社長はそういうの疎いのかわからないけど、「お前すげーな」と。
一同:(笑)