『お金2.0』が売れると確信した瞬間
箕輪:そこは完全に分断されていて、僕がネットでいくらバズらせようと新聞広告で効く層には永遠に届かないんですよ。だから、新聞広告は新聞広告で如実に効果あるし。ターゲットに向けてやることが全部違うという感じですね。広告戦略はターゲットによって何層かに分けてます。
中村:聞くところによると、編集者って基本1人がPRもリリースも広告のメディアプランもやって、何なら中身のクリエイティブまで全部ディレクションして、デザイナー発注してと、全部やるからだいたい全方位にいけなくて、「ネットなんて無理」と。
箕輪:全くそうですね。だから数か月に1冊しか出せなくて、全部やると無理でしょとなる。それこそ書店イベント、サイン会まで全部やるんで。
中村:そこは箕輪さんは?
箕輪:全部やってますね。ただ、そんなに分離して考えてないというか、本の中身も新聞広告を意識しながらつくるし。最近、「はじめに」を無料で公開することがよくあるじゃないですか。それがバズってアマゾンで1位になったり。だから当然、「はじめに」をつくるときも無料公開を意識してるし、宣伝とコンテンツと分けてないので、物理的に忙しくても全部やらないといけないから、僕はネットまで追いつかないという発想はないですね。全部がいっしょくたなんで。
権八:アドラーの本も箕輪さんですよね?
箕輪:あれは違います。ああいう良い本で長く売れる本は僕じゃないです(笑)。よくわからないけど過剰に(大量に)見るというのは僕の本です。人々の心に染み入るように伝わるのはだいたい佐渡島さんなど、そっち側。そこはもう任せてます。
権八:次の本を出そうというときに概念、テーマが先行するのか、それとも人なんですか?
箕輪:人ですね。というか、僕が読みたいということだけですね。ニューズピックスブックも月額サービスだから月1回送らないと怒られる。単純に月1冊出さないといけないから、テーマを選別する余裕すらなくて、会って書いてください、間に合わないですと。
佐藤さんはびっくりしたと思いますよ。タイムバンクというサービスにおいていろいろできませんか?という打合せで行ったんだけど、その話面白いからお金の話書いてください、〆切すぐですよって、勝手にお願いして、困っちゃいますよって。
「月1で出さないと問題ですからね」と勝手に巻き込んでいくんですけど、単純に僕が聞きたいという感じですね。佐藤さんは話が面白すぎて、打合せを録音してオンラインサロンのスレッドに投げたんですよ。
権八:佐藤航陽さんの『お金2.0』ね。
箕輪:お金は今後こうなると。その録音を聞いたメンバーの盛り上がりを見て、これは絶対に売れると思いましたね。
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構成・文:廣田喜昭