今回の記事では『マーケティング英語の教科書』の執筆にあたって、ビジネスの現場で活躍しながら英語を学ばれている方々に取材をした、その一部を公開します。
日系の飲料メーカーに勤務するHさんは、数年前に国際事業部に異動になりました。最近は、欧米のお客さん向けに自社ブランドを紹介するビデオを制作したそうです。もともと英語とは全く関係のない仕事をしていたHさんが、仕事で英語を自信を持って使えるようになるまでの苦労を聞きました。
—今回のブランド紹介ビデオでの英語字幕やナレーションは、どのように作成したのですか?
私がシナリオを書いて、編集なども立ち会ってビデオにしました。英語のスクリプトは、まずは日本語で書いて、翻訳会社に出した上で、その英文のこまかなニュアンスを調整しながら、現場で編集に立ち会い完成させました。
完成した映像は国内外の展示会や商談などで使用しています。独特の業界用語などもあるので、翻訳会社から帰ってきてからが勝負という感じです。
—そんなHさんですが、英語については小さいときから触れていたのですか?
英語は、実は3歳から始めているのです。母親が熱心で、子供向けの英会話教室に通っていました。
—そこで英語ができるようになったのかと思ったら、そんなに簡単ではないのですね?
結局中学校に入るまでやったのですが、英語が話せるようにはなりませんでした。半年に1回は、「外国人授業」という英語を話す機会が少しあったり、1年に1回は、英語コンテストもあったりしました。たしか、暗記部門と、発音部門というのがあって、私は発音部門で賞をとったりもした記憶があります。
ただ、それだけでは、しゃべれるようにはなりませんでしたね。この時の効果といえば、英語に関して耳と発音が影響受けたくらいではないでしょうか。中高でも何となく英語は好きでしたが、日本の英語教育なので、英語をしゃべるというよりは、勉強するという感じでしたね。
—読み書き中心の英語をやっていたHさんにとって、一つと転機となるのが大学での短期留学でした。
大学でもしばらくは同じような感じだったのですが、ロスアンゼルスに3週間短期留学する機会がありました。出発したときは50人いた中で一番下のクラスだったのですが、最後のスピーチコンテストでなんと優勝したんです。スピーチでは、笑いもとって、自信になりました。この短期留学の3週間は、読み書きではなくてカンバセイション(会話)中心で、話す喜びを感じて、心から楽しい経験でした。
でもそれ以外では、部活中心の学生生活で、短期留学以外に英語を特にやった記憶はないですね。
書籍案内
『マーケティング英語の教科書—完璧ではなくても、仕事で自信を持てる英語—』(3月14日発売)
ビジネスにおける英語は、完璧である必要はありません。本書では、ネイティブのようには話せなくても、ビジネスの現場で頻出する「型」を知って、効率的に現場で使える英語を身に付けることを目指します。