デジタルで素地をつくってテレビで刈り取る
とはいえ、テレビはいまだ、そのプッシュ力では他のメディアを圧倒しています。現状その機能を代替するメディアはありません。要因は大画面、複数視聴、音声がデフォルトなどです。それは、野球に例えればスラッガーのような存在です。
そのスラッガーを有効に使うには、1番バッターではなく、1から3番をデジタルで出塁させておいて4番のテレビにホームランを打たせ大量点を取ることです。
私は普段から、従来の「テレビで認知させてネットで刈り取る」ではなく、「デジタルで素地をつくってテレビで刈り取れ」と言っています。
その意味で、テレビだけ使うのでは、テレビの力を引き出せない時代になっていると認識した方がいいと言えます。テレビ広告を大量に使う広告主ほど、テレビの機能の最大化のためのテレビ×デジタルの統合プランニングスキルが必要なのです。
タイトルの「デジタル主導のコミュニケーション開発」というのは、まずデジタル動画広告のクリエイティブ(ターゲットセグメントごとの最適な<刺さる>メッセージ)開発を行い、配信してユーザー反応を把握した上で、それらとオーバーラップすることで効果を最大化できるテレビCMクリエイティブを開発するプロセスのことです。
□デジタル主導のコミュニケーション開発のイメージ
また、従来はクリエイティブとメディアプランはパラレルで進行しましたが、デジタルのターゲットセグメントごとの「自分事化」のメッセージ開発と、そのセグメントへのデジタルターゲティング配信設計は同時に行われる必要があります。
このようなスキルを最初に確立するエージェンシーはどこでしょうか…?その意志があるエージェンシーがあれば是非支援したいと思います。
横山隆治氏著、これまであいまいだったテレビCMの効果効能を科学的に分析し、真のデジタルマーケティングに必要なデータと共に動画コンテンツのありかた、将来的なテレビCMのあり方について論じた1冊、「CMを科学する -「視聴質」で知るCMの本当の効果とデジタルの組み合わせ方」も好評販売中です。