新人でも年収2倍に。選ばれるライターの生き残り戦略

フリーランスはコンビニのペットボトル飲料

突然だが、私は片思いが大嫌いだ。心を砕くばかりで結果が出ないからである。しかし、両思いの幸福は片思いの不幸を超える。そういった意味では、片思いは必要悪だと言える。

独立直後のフリーランスはクライアント不在の独り身状態、片思い中だ。この片思いは続けば続くほど金銭的に困窮する死活問題なので、私は両思いになるために自分を「コンビニのペットボトル」だと定義した。クライアントは喉が渇いてコンビニにふらりと立ち寄った客であり、私は陳列棚にずらりと並ぶペットボトル飲料の1本である、と。

人が陳列棚から飲料を選ぶまでにかかる時間は約2秒と言われている。そのため、飲料のパッケージには「競合商品より目立つこと」「分かりやすい商品名であること」「おいしそうなこと」「中身が想像できること」の4つが求められる。ペットボトル飲料であれば中身が見えるフィルムにして安心感を与え、直感的に“おいしそう”と思える外見で魅力を伝える。

これをライターに当てはめて考えると、ざっくり以下のようになる。
「他のライターよりも目立つこと」
「分かりやすい特長があること」
「伝わる文章が書けそうなこと」
「信頼できる実績があること」

とはいえ、駆け出しの時期に上記4点をオールクリアするのは難しい。力不足で条件を満たせない場合はコミュニケーションでカバーすべきだ。信頼に足る実績がないのなら、信頼できるコミュニケーションをすればいい。笑顔で挨拶して一礼する、目を見て話す、相手の意図を汲んだ受け答えをする、などなど。

それに、コミュニケーション力は技術力と同じくらい重要だ。クライアントもひとりの人間なので、接していて不快な人とは仕事したくない。意外とコミュニケーションがおろそかになっているライターは多いように思う。人は2秒で棚から商品を選ぶのだから、会った瞬間の印象で判断されるのは当然だ。

技術不足でも、駆け出しだからこそ目立つことはできる。やる気があって素直だとか、まだ仕事が少ないからフットワークが軽いだとか、相場よりも安く仕事を受けられるだとか、いくらでも切り口はある。何事も一長一短あり、見せ方次第でどうとでもなるので、自分の特性を理解して生存戦略を練ればいい。「駆け出しだから」とできない理由を考えるのではなく、できる方法を考えよう。

山ほどあるペットボトル飲料のなかでも、ごくごく飲み干される1本でありたい。
次回も、いちライターとして差別化するために心がけていることを書く。

続く(第4回は、現在の話)

萩原かおり

三度の飯より執筆が好きな1990年生まれ。ライターとして、社長・名人・政治家・マーケター・人事など多種多様な取材記事やコラムを執筆。ほかにも美容・求人広告制作、商品コンセプト・商品名考案などを行う。「コピーライター養成講座 基礎コース」「編集・ライター養成講座 総合コース」修了生。
https://hagitaro1010.wixsite.com/writer

 

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