「さよなら、おっさん。」で話題のNewsPicks 新編集長が「ミドル転職」決めた理由

“脱・おっさん”層を獲得したい

—既存の経済誌と比べれば読者層は若いものの、まだまだ男性が中心という印象です。今後、読者層をどのように広げていかれるのでしょうか。

たしかにNewsPicksのコアユーザーは30代で、次いで20代、40代となっていることから、高齢化が進んでいる世の中の経済メディアの読者層よりも10歳以上は若いと言えるでしょう。一方で女性ユーザーは2割に満たないため、いずれ3割くらいには引き上げたいと考えています。ただし優先順位でいうと、まずは現在NewsPicksを愛してくれている層をもっと深めていきたいですね。

次にやるべきことは、層を広げることです。その中で最初に取りに行くのは、特集企画の「さよなら、おっさん社会」で定義している「おっさん社会」に属しているけれど、「このままでは逃げ切れないぞ」と思い始めた層。「このままじゃちょっとまずいから自分もアップデートしなきゃな」と思ったときに、「じゃあNewsPicksを読もう」と思ってもらえる層を指していて、実年齢は関係ありません。続いて取り込みたいのが若年層で、さらにその次が女性読者という順番です。

6月26日付の日経新聞朝刊に出稿した広告。このほか6月から7月にかけて都内主要路線のドア横広告、中づり、品川・六本木などの駅サイネージでも同一クリエイティブで展開した。

6月26日には新聞、交通広告などで「さよなら、おっさん。」というコピーを用いたNewsPicksの大規模な広告展開をスタートさせました。このタグラインは物議をかもしたと思いますし今回の広告展開には賛否はあるものの、世論を喚起できたという点では挑戦してよかったと思っています。

今こそ骨太な経済ニュースを

—最後に、金泉さんの今後の編集方針やビジョンをお聞かせください。

NewsPicksの新メッセージは「経済を、もっとおもしろく。」。目指すところはまさにそれで、経済をもっとおもしろく見ていくために、従来からのコアな読者やユーザーは大切にしながらも、多様性を重視していきたいと思っています。

また、世の中の経済メディアは“実用誌化” が進んでいます。遺産相続とか、住宅の問題とか。高齢化する読者層に合わせるとそうならざるを得ない状況もあるので、今こそNewsPicksは未来につながる骨太な経済ニュースを追求していきたいですね。


『編集会議』2018年夏号では、「大家さんと僕」をはじめとする2018年上半期のヒット書籍の裏側を多数取材。巻頭特集では「“書いて、書いて、書いて、生きていく”という決断」と題し、塩田武士さん、上阪徹さん、藤田祥平さん、燃え殻さん、夏生さえりさん、高氏貴博さんの人生に迫っています。
 

 

『編集会議』2018年夏号もくじ

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