人間国宝とも!? 遠いジャンルとのコラボレーションで世界を広げる。
飯塚:DAZZLEの他のダンサーとは違う活動として、全く違うジャンル、遠いジャンルの方々とのコラボレーションがあります。
広告の仕事をしていると、色々な方々と協業するのが普通ですし、それで成長してきたという実感があります。広告の仕事でご縁ができて、北村道子さんに衣装を作っていただいたり、浅野忠信さんにナレーションをお願いしたり、今僕が所属しているPARTY NYCやdot by dotのみなさんにデジタルなアイデアを作っていただいたこともありました。
一方で、ダンサーは仕事の中で接する人のジャンルが非常に狭いので、それはとてももったいないなと。DAZZLEでは「ダンサーでもこんなことができるんだよ」ということを示したいという気持ちもあり、様々な方々と積極的にコラボレーションしてきました。
長谷川:坂東玉三郎さんとの出会いは特に大きかったですね。まさか、自分の人生においてそんな偉大な方にお誘い頂ける日が訪れるとは思いもしませんでしたから。しかも、赤坂ACTシアターでの公演というお話だったのでプレッシャーも大きかった。
実際、玉三郎さんに演出して頂きながらの振付は悩みも尽きませんでしたが、とにかく勉強になりました。
踊り方だけでなく、舞台人としての在り方や考え方など、様々なことを教えていただきましたし、創作においても絶対に自分の中から出てこないものを発見できたので、本当に感謝しています。
飯塚:他にも、大友克洋さんの原画展でAKIRAの曲で踊らせて頂いたり、佐渡やサントリーホールで太鼓の鼓童さんと共演させて頂いたり、青森で青森大学・青森山田高校の男子新体操部の方々と公演を作ったこともありました。
昨年は三味線奏者の上妻宏光さんや雅楽の東儀秀樹さん、日本舞踊の花柳寿楽さんらとともにカザフスタンのアスタナで行われた万博でパフォーマンスを行うこともできましたし、今年の3月にはシンガポールで障害のある方々との作品を上演しました。
自分はDAZZLEをプロデュースするにあたって、常に新しい目標があり、それに近づいているという実感があり、そして刺激・変化が必要だと思っています。
若いダンサーで面白いことをやり始めたのに、数年でとん挫してしまう人たちがたくさんいますが、20年以上続いているDAZZLEは何が違うと思いますか?
長谷川:個人的には、誰もやっていないことをやる、ということにモチベーションを感じていて、似ていることをやろうとする人が世界中にいない、ということが大きいと思います。だから、やる意味を感じられる。あとは、それを面白いと思って、一緒に作ってくれるメンバーがいるということですよね。これは本当に恵まれていると思います。